モワッときた!!
□盗人の昼寝もあてがある。
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盗人の昼寝もあてがある。
僕は、今日もここでサボる。
先生も生徒もあまりこない隠れた庭。
昔ここを利用していた生徒が持ってきたんだろうか、ベンチも設置され快適だ。
影だし涼しい。
あまりこないと言ったのは、1人だけよく来る先生がいるからだ。
玲「まぁたここにいた!」
『あ、玲奈先生』
そう、玲奈先生だけはここによく来る。
玲「少しは授業にでなさい」
『でてますよ。テストの点数だっていいでしょ?』
玲「うぅ。それは、私が教えてるのもあるでしょ?」
『う、うう』
別に意味もなく授業を休んでるわけじゃない。
玲「次の授業は出なさいよ?」
『ヤダ』
玲「コラ」
そりゃ、動機は不純かもしれないけど。
僕にとっては、大切な理由なのだ。
玲「意味もないのに休んじゃんダメ」
『理由くらいあるもん!』
玲奈先生が首を傾げる。
玲「どんな理由?」
言っていいものか少し迷う。
『こうやって授業をサボったら玲奈先生ここに会いに来てくれるし、、、、人気者の玲奈先生を独り占めできるから』
自分で言っといて段々恥ずかしさがこみ上げてくる。
玲「私の、、気持ちもしらないで、、」
『ん?』
玲奈先生の顔が何故か真っ赤になっている。
『玲奈先生の気持ち・・?』
しばらく考えてみる。
『玲奈先生がいつもここに来てくれるのってもしかして、、、僕のことがす「ちょーっとストップ!!」何でー?』
いいところで先生にストップをかけられた。
玲「名無しさんさん!落ち着いて!ダメよ。それ以上言ってはダメ!!」
『どうしてですか?』
一歩一歩玲奈先生に近寄る。
玲「え、だって、、、恥ずかしい」
『玲奈先生の気持ち、、、教えてください』
壁際に玲奈先生を追い込む。
『玲奈先生だって、毎回呼んでも授業にこない僕をわざわざ呼びにこなくたっていいじゃないですか?だいたい、先生の授業はちゃんと出てますし、呼びにくる意味ないんじゃないですか?』
より困った顔をする玲奈先生。
玲「わ、私だって!理由があってきてるわよ!!」
『どんな理由?』
玲「私が名無しさんをよぼうとすると、決まって名無しさんの周りは人だらけになってる。ここにきたら、私と名無しさんだけじゃない///」
俯きながら話す玲奈先生。
つまり、同じ気持ちじゃないか。
『玲奈先生顔を上げて』
玲「ヤダ」
『じゃ、そのままでいいです』
玲奈先生の耳にそっと口を近づける。
『僕、、玲奈先生のことが好き』
玲「わ、私も、、、名無しさんのことが好き」
下をむいているけどはっきり伝えてくれた。
『やった!じゃさ、二人の時だけ玲奈って呼んでいい?』
玲「べ、別にいいけど」
『玲奈・・』
呼んでみるとびっくりしてこっちを見てくれた。
チュッ
玲「なななななな!!///」
不意打ちにキスに驚く玲奈。
『へへー玲奈の唇柔らかい♪』
玲「う〜///反省文1000枚!!書く事!」
『さすがに1000枚はちょっと、、、あ!でも、玲奈がみててくれるんでしょ?』
玲「まぁ・・」
玲奈の手を引いてベンチまで向かう。
いつもより近い距離に座る二人。
『反省文1000枚は無理だけど、玲奈への愛を語る1000枚だったらいける!!』
ベチッ!
『イタッ!!』
玲奈に頭を叩かれた。
玲「バカっ!もう早く教室に戻りなさい!!」
『う〜仕方ないなぁ。愛しの玲奈が言うんだから教室に戻りますよ』
それから二人で校内に戻る。
『それじゃ、玲奈先生♪また、放課後会いましょう!』
玲「あんまり反省文の枚数増やさないようにね?」
何の目的もなさそうな盗人の昼寝は、実は夜の盗みに備えてのものであるということから。「盗人の昼寝」ともいう。
つまり、何事をするにもそれ相応の考えや目的があるということ。