モワッときた!!

□君のためなら
2ページ/3ページ

そして、次の日。
イジメが始まった。
なんか、あることないこと変な噂を流され、靴箱には、ゴミがたんまり。
ま、上履きとか持ち帰ってるからどうってことないけど。
やり方が古典的。

「うわーなにこの靴箱クッサ」

ゲラゲラ笑ってバカみたい。

麻「もっと頭使えば?」
「あぁ?」

あ、頭が悪いからこんなことしかできないんだ。
教室に行くまでの廊下、今までデレデレしながらやってきたはずの人たちもなんか冷たい目で見てくる。
別にいいや。
もともと仲が良かったわけでもないし。
人なんて見た目で決めるしね。
教室につけば、一気に静まり帰る。
みんなして同じような目を向ける。
昨日のリーダー格のこがどや顔でみてくる。

柏「まゆゆ!おはよう」
麻「ゆきりん」

ゆきりんは、やっぱり優しい。

優「まゆゆ!おはよう!!」
佐「おはよう!」
『お、おはよう』

優子ちゃんたちもいつも通りでいてくれる。
これでいいんだ。
ちょっと、寂しいとか思ってないし。

麻「おはよう」

あ、ちょっとむこうのグループが機嫌悪くなった。

席につく。
次体育か。
めんどくさいなぁ。

「じゃぁ、体育はバスケやりまーす」

バスケかぁ。
優子ちゃんたちに任せよう。
みんな、元気だなぁ。

柏「まゆゆ。次私たちだよ」

ゆきりんも運動は苦手な方。
私たちは運動ができないのだ。

麻「でも、優子ちゃんたちと同じだから動かなくても大丈夫じゃないかな?」
柏「そうだよね。佐江ちゃんも名無しさんもいるし!」
麻「名無しさん?」
柏「うん!あ、知ってる?名無しさんってね運動神経抜群なんだよ!」
麻「そうなんだ」

まぁ、そうじゃないとついてけないよ。
優子ちゃんと佐江ちゃんには。

佐江「よっしゃ行くぞぉぉぉぉぉ!!!」
「「おぉ!!」」

気合十分。
な人たち。

柏「あ、まゆゆ。気を付けたほうがいいかも」

ゆきりんの指差す方向を見る。
なるほど。
いじめっ子の集団か。

麻「それなりに気を付けます」

ピーーーー!!

試合開始のベルがなる。

優「佐江!!」
佐「おっけー」

コンビプレーってすごいな。
仲良し度がわかる。

柏「佐江ちゃんカッコイイ」

ゆきりんは佐江ちゃんが大好きだもんね。

ぼーっとしてると優子ちゃんの声が聞こえた。

優「まゆゆ!!危ない!」

振り返ると硬そうなバスケットボールが飛んできていた。
反射的に目をつぶる。

"パシッ"

『大丈夫!試合続行!!』

目を開けるとそこにはボールはなくて、心配そうな名無しさんの顔があった。

『だ、大丈夫?』
麻「うん」
『よかったぁ』
佐「名無しさん!行くぞ!!」
『わかった!』

いやいやいやいや!!!
ドキッとかしてないし!!

柏「あれ〜まゆゆ。顔が赤くなってるよ?」
麻「うぅ五月蝿い!」

ゆきりんがまり〇っこりみたいな目で言ってきた。
ありえなありえない!!

麻「うぅ〜」
柏「そんなに唸らなくても」
麻「だってぇぇぇ」
柏「どんだけ認めたくないの?」

苦笑されたけど、だって、私が恋するとこありえないんだもん!!
私が好きなのはフランシスお兄ちゃんだけだもん!
悶々としながら教室に戻る。

「あれ〜私の財布が無いんですけどー」

めっちゃ棒読みだし。
気にせず席に行く。

「私見たんだけど、渡辺さんが盗ってたよ」
「マジで?」

あーはいはい。
来ると思ってました。
どうせ麻友にくるんだ。

『へー渡辺さんってこのクラスに二人もいるんだ?』
「え、あ、名無しさん」
麻「名無しさん」

名無しさんって、こんな怖い声も出すんだ。
最近このクラスは静まり返るのが流行りらしい。

『さっき、まゆちゃんと一緒だったし、カバンの中に財布が入ってたら誰かがいれたことになるんだよね?』
「っ!でも、渡辺が入れたってみんな見てるし!!」
『ふーん。君が言うみんなって誰?』

普段怒らない名無しさんが怖い声を出したせいか誰も見たなんて言わなかった。

『まゆちゃんちょっとカバンみてみて?』
麻「あ、うん。」

促されてカバンの中を探してみる。
しばらくあさってみたけど出てこない。

麻「ないよ?」
優「そりゃぁそうでしょ。だって、まゆゆやってないし」
佐「あ、優子。廊下に財布落ちてたって」
柏「はい。これだよね?」
「柏木っ!」

どうやらゆきりんに頼んだらしい。

佐「ゆきりんに頼むのがダメだよね。ゆきりんそんなことしないもん!」
柏「それに、まゆゆは大切な友達だし」
優「さすが名無しさんだよね♪まさかこんなに計画通りにいくとは」
『だって、頭いいし』

いつも、佐江ちゃんたちに連れ回されてるから気付かなかったけど、意外と頭いいんだ。

麻「名無しさん、あの、、ありがとう」
「「「(おぉ、まゆゆが本気で恥ずかしがってる)」」」
『あ、いやいやいやいや!!!えーと・・・』
優「素直にどういたしましてって言えばいいじゃん♪」


妙に優子ちゃんがニヤニヤしている。
というか、佐江ちゃんもゆきりんもニヤニヤしてる。

『え、あ、どういたしまして』
麻「あ、いや、」

あぁ!なにこれ!!心臓が自分のじゃないみたいに動く。

「おー、どうした?みんな、席付けよ。授業始めるぞぉ」
「「「はーい」」」

そりゃぁ、授業に集中出来るはずもない。
認めないもん!認めないもん!!
あれ?でも、なんで認めたくないんだろう?
あ、フランシスお兄ちゃんが好きなんだ。
危ない危ない。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ