histoire

□とあるネクロフィリアの憂鬱
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つまるところ私は、彼女と関わりを持ちたくないのだ。


華奢な手足、真珠の肌、漆黒の髪、銀河の瞳、薔薇の唇。
その総て、細胞の総てが眠りに落ちた時に私の目覚めはやってくるのだ。

例えば、君の時計が止まったとしよう。
私と君が何らかの関わりを持っていた場合は、私は哀しみうろたえ涙を流すだろう。
だがしかし、何の関わりも持たず、ただこうして透明な硝子越しに覗いているだけならば。
純粋に君を愛せるだろう。

動く君に価値など無い。
止まり留まった時に最高の輝きを放つ。

世界が止まるその日まで、私はこうして窓辺に立つ。

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