poesie
□ヒロシマ
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空から落ちる何かを見た
これから急速に変わる日常を
意味していたのであろうソレは
愛するあの子の居る街へ
上から何かが落ちてくる
凄いスピードでこちらへ来る
奥に見えたのは何だっただろう
青い空と白い雲
陳腐だけれど美しい
そんな世界だったかもしれない
ただ傍観する事しか出来なかった
美しい光を放った街
そして昇った茸雲
全てが終わる爆発音
ただ鳴り響く蝉の声
頭上で爆発したソレは
私の全てを焼き尽くす
一瞬で終わっちゃったから
最早未練は消えていた
焼けて溶ける肌
街は地獄絵図だった
石の影はあの人が
階段の影はあの子だろう
ああそれは夏の朝の事でした
8時16分を迎えられなかった
あの夏の事でした。