*ao-ex ss*
□壁に耳あり・・・。
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【壁に耳あり・・・。】
塾の授業を始めようと廊下を闊歩していると、教室の前には人だかりが・・・。
「どうしたんです?」
早く教室に入らないと、と群がる志摩君や三輪君に声をかける。
「しーっ!!」
志摩君は焦った様子で人差し指を立てると僕にこっそりと耳打ちをしてくる。そういえば、兄さんと勝呂君が見当たらない・・・。
「今、なかで坊と奥村君がちちくりあってますねん」
ち ち く り ?
「もう一度お願いします」
不思議だ歯がカタカタなっている。今日は寒かったっけ?
「だーかーらー、イチャイチャしてはるんですよぉ」
あ、これは怒りで震えてるんだ。
志摩君は僕の心境を知らずかニヤニヤしながら、教室の扉に耳を当てる。
よく見れば神木さんやしえみさんまで顔を赤くしながら、耳を扉にくっつけていた。
出来れば今すぐにでも扉を蹴破って、銃を発砲したい。むしろ僕が兄さんとちちくりあいt(ry
しかし、現状を把握しないまま行動に移るのはよくない。そうだ、落ち着くんだ僕。
そして僕も皆と一緒に扉に耳を貼り付けた・・・。