*ao-ex ss*
□愛の起源
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心臓を抉り取られたような気分がした。
「何なんだよっ!なんであんたはそうやってっ!」
僕は兄さんにつられてまた涙を流していた。
「雪男、キスしようぜ?」
兄さんは優しく笑ってくれた。僕は取り返しがつかないような酷いことをしたのにもかかわらず。
ああ、僕はきっとこの人には一生かなわない。
僕達はお互い同時にファーストキスだった。僕は今までの酷い行為を謝るかのように優しく、丁寧に、キスをした。
腕を縛っていたTシャツを解き、痺れた腕を撫でれば、くすぐったそうに兄さんは目を細めた。
今度はゆっくりと優しく腰を進め、そっと律動を繰り返した。先ほどみつけた前立腺を擦れば、兄さんは何度も可愛い声を漏らす。
「ぁ、あ、あんっ!!ゆきぃ」
首に縋り付きながら耳元で甘く喘がれると僕はそれだけでイってしまいそうだった。
「にぃさんっ!僕もうっ!!」
「おっ俺も!ゆき、ゆきおっ」
兄さん自身を手で擦りながら、激しく腰を動かし、同時に絶頂をむかえる。
「・・・りん」
頭が真っ白になりながら、僕は兄さんの名を呼んだ。
*****
情事後。
僕は兄さんの中に出してしまったモノの後始末をしつつ、何故、僕を拒否しなかった問いただした。
よく考えたら兄さんの馬鹿力だったらTシャツを破いて逃げるくらいわけないからだ。
「俺、お前が俺のこと好きなの気がついてたからな」
「え?」
地球は四角いって言われた気分だった。
「じゃ、じゃぁ今まで黙ってたの!?」
「お前ばっか隠し事してるから、俺だって秘密があってもいいだろう?」
お前だって、俺が悪魔なのも自分が祓魔師だってことも黙ってたじゃん。と悪戯な笑顔を見せる。