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□【第一回奥村燐争奪戦!】
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「燐くーん、こっちきてスイカ食べへんか?」
「燐ちゃん、甘いもんいらへんか?」


 瑞々しい旬の西瓜と細かな細工を施された練りきりを鼻先に差し出され、思わず燐は固まってしまう。
 

「ハッ!!なんやその粘土細工みたいなもんは」
「ふんっ!あんたらみたいな野暮には、これの雅やかさが分からんとちゃいます?」


 今に始まったことではない志摩兄弟と宝生姉妹の争いはここ最近、燐の登場により激昂の一途を辿っている。
 今のところは志摩家の五男坊である廉造が同級生ということもあり、志摩家が一歩リードしているようにも思えるが…。




【第1回燐争奪戦!!】




『えー只今より≪第1回燐争奪戦〜夏の陣〜≫の実況を始めたいと思います。実況は私、神木出雲と…』
『解説は「兄さんの貞操を守り隊」名誉会長の奥村雪男が務めさせていただきます、よろしくどーぞ』
『(このブラコンッ!!)……奥村先生、今回の戦いどちらが有利に進むと思われますか?』
『今のところ、志摩兄弟の方が志摩廉造くんをきっかけとして有利に見えますが…兄さんは女性に免疫がないので危険ですね!!(眼鏡キラーン)』



「や、あの、ほ、宝生さん近くないっすか??」
「照れてはるん?志摩のお申共と違うて、初心でかあいらしいわ」
「姉さまばっかりズルい!私も燐ちゃんの尻尾触りたい」
「私も!私も!!」
「錦、青、順番や」



『明らかに押されてますね!!』
『女蛇どもめ!!…ゴホン、兄さんは女子にはモテませんし、好意を前面にだされたら邪険にも出来ないので逃げれないのでしょう』
『女子には、のところを強調しないでください』



「何しとんねん!!蛇臭いのがうつるわ!去ねや!!」
「そうやそうや!柔兄言ったれ!!」
「奥村くーん、帰っといでぇ」



『めげませんね、志摩兄弟』
『チッ!!』
『先生、ちゃんと解説をお願いします……』



「じゅ、柔造さん!こ、腰に手が!?」
「細いなーちゃんと飯食う取るか?」
「柔兄!抜け駆けはあかんよ!!」
「ちょっ!金造さんもドコ触ってんすか!?」
「まーまー、奥村くん♪気にせんと仲良くしようや。これが京都流の男同士の付き合いや!」
「そ、そうなのか!?」
「「「そうや!」」」




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