GOTH -Feat.NISHI-
□幻影ヲ追ッテ
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「誰か助けて!!」
私は大声で叫んだ。
でも、誰も来る気配は無く
私の声は虚しく闇に飲み込まれた。
じりじりと詰め寄るその異生物から
一歩一歩後退する。
だが
私の手はすぐに壁に着いた。
これ以上は逃げられない。
波打つ脈に合わせて流れ出る血は
既に制服の黒をさらに色濃く染め上げていた。
私は死ぬだろう。
意外にもあっさりと死を受け入れられるほど
冷静な自分がそこにいた。
蜘蛛がまた一歩、私に詰め寄る。
((ぎょーん ぎょーんぎょーん……))
背後で
何かの音が聞こえて、
私はゆっくりと目を閉じた。