GOTH -Feat.NISHI-

□終焉
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赤く染まった空。




それを写し出すような赤い道路。





否、

空が道路を写し出しているのかもしれない。





その赤い道を
二つの影が平然と歩いていた。





血に塗れたローファーは赤黒く、
少女の白い肌にも
点々と血が付いている。



彼女の血ではない。



他人の血である。








一方の少年は巨大な黒い物を両手に持ち、

無表情のまま
少女の半歩先を歩いている。





「これがカタストロフィなのね。」







少女は抑揚のない声で言い放った。




少年は答えない。




少女もまた、答えなど分かりきった様子で空を仰いだ。












「松坂。」






少年は立ち止まった。










「俺は……行かなきゃなンねートコがある。」




「そう。」




「ここから先は、お前一人で行け。」




「分かったわ。」






少女は頷いた。









少年は僅かに表情を曇らせたが


すぐにまた歩み始めた。






少女は曲がり角を真っ直ぐ進んだ。



少年は右へ曲がった。















だが





少年は間もなく立ち止まり




元来た道を戻った。









少女の細い手首を掴むと


そのまま引き寄せる。













強引に唇を奪うと





彼は満足気に笑った。













「西君。」








少女は尚も動じない。






西も既に、顔から笑みが失せていた。








「何。」








「また、会いましょう。」

















彼女は


微かに笑った。









西は
そんな少女の顎を持ち上げた。












「その時は







俺とみゆが
新世界のアダムとイヴだ。」




















End.



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