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□誰にも負けない。
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「ドンへには…凄く言いにくい事なんだけど…。」


とイトゥクが言う。



ドンへは、目を丸くして

「ん?」とイトゥクを見つめる。



「んと…明日、宿舎を紹介する収録があるだろ…。」


ドンへは、ハッとする。


「あっ!!ちょっと部屋片付けなきゃだよね
はーい。掃除しまーす。」


「あー!!掃除は、兄さんだってやらなきゃいけないんだがな…じゃなくて…」



「違うの?」


とドンへは、首を傾げた。


そしてイトゥクは、チラッと壁にかけてある、大きな大きなガクに目をやり



「あのガク…1日だけ撤去してもいいか?」



すると、みるみるドンへが泣きそうな顔になり



「ヒョン!!何言ってるの?(泣)よく見てよ、これはヒョクだよ!!ヒョクなんだよ(泣)」




「うん。知ってるぞー!
ドンへが1カ月前からヒョクの写真をかけだしたのも知ってたぞー!

兄さん何も言わなかっただけだぞー。」



「なんで?なんでヒョク撤去しなきゃいけないの?(泣)」



「いやー。ドンへ…普通におかしいだろ。」


「えー!でもリョウクだって部屋にあるじゃん」



「あれは、自分の写真だろ。ドンへしっかりしろ。」

とイトゥクは、呆れる。



「うっ…写真間違えたっていう…。」



「ドンへ。そんなバカなやついるわけないだろ!?
1日だけ撤去するだけだぞ!!」



「ん…じゃあ朝起きたらすぐ撤去する(泣)」



「ドンへ朝じゃ遅いんだいつ来るかわからないんだ。
だから今撤去してほしい…」



ドンへは、更に泣きそうな顔になり…


「やー(泣)じゃあ、今日ヒョクと寝れないの!?

俺ヒョクがいないと眠れないのに(泣)」



イトゥクは、その言葉に呆れて何も返せなかった。


心の中で、


ガク無かった時、普通にぐっすり寝てたじゃん。


と思いながら、はぁと溜め息を吐いた。



すると突然


「おいっ!!ドンへ!!」


と強い口調でヒョクチェが、ドアをノックして入ってきた。



「ヒョクー(泣)」


とドンへは、ヒョクチェに抱きつく。



「わぁっ!おいドンへ何泣いてんだよ!?」


するとイトゥクが、「ヒョクあれ」とガクを指さした。


「なぁっ!!!なんだあれ!!!おいっドンへ!」


「あれ?ヒョクだよ。いつもヒョクと寝てる。ヒョクが仕事でいなくて、寂しい時も部屋には、ヒョクが待っててくれる…。
でも明日、宿舎の収録あるからヒョンが今、撤去しろって(泣)
俺、今日ヒョクと寝れない…」



「あんなの前に来た時は、無かったのに…いつの間に…」


とヒョクチェが言った。


そして、イトゥクの前でドンへがそんな事言うもんだから、恥ずかしくなって顔を赤くした。



「でヒョクは?ドンへに用があったんじゃないのか?」


とイトゥクに言われ、

ハッと思い出し。


ポケットから手紙を取り出し、


「ドンへ!これどういう事だよ!」



「ん?これ?ヒョクにファンレター書いた。」



ドンへが「それが、何か?」みたいな顔して言うもんだから


イトゥクは、もう駄目だ…逃げようと思い

「とりあえず2人で話し合ってくれ。ヒョク、ガクの件もよろしく〜」


と言って部屋を出てしまった。




2人っきりになった部屋。


少し沈黙が続く。



すると、ドンへが


「ヒョクごめん。…怒っちゃった?」


とシュンとした。



ヒョクチェは、はぁと溜め息を吐き


「怒ってねーよ。ただなんでわざわざ切手まで、貼ってだしたんだ。直接渡せばいいだろ。」



するとドンへが、


「うん。ELF達みたいに…俺だって誰にも負けないぐらいヒョクの事大好きだし、誰にも負けないぐらいヒョクの事なんでも知ってる!!誰にも負けたくない…」



「だからガクもかけたのか?」


「あれは、ELF達の真似した。寝るときヒョクがいると、嬉しくて安心してぐっすり眠れるんだ…。」


もうヒョクなしじゃ眠れない。


と言って下を向いた。



するとヒョクチェが恥ずかしそうに顔を赤くしながら


「な。ドンへ顔上げて。そんな事言ってくれるなんて…すげー嬉しいよ…俺だってドンへの事なら…誰にも負けたくない。」


「ヒョク…。」



「ドンへは…誰にも負けてないよ…だから…こんな事するな…。
さ…寂しい時は…いつでも俺の部屋…来い…。」



「!!ヒョク…うん(泣)
ヒョクとキスしたい。い?」


ヒョクチェは、恥ずかしそうに目を閉じた。



そしてドンへはヒョクチェの唇に軽くチュッとキスをした。



「今日、ヒョクの部屋で一緒に寝てい?」



ヒョクチェは、コクりと頷いた。



「やったー!!ヒョク大好きー」と言ってヒョクチェの頬にキスをする。



「なぁ。…ドンへ…な…何もするなよ。一緒に寝るだけだからな…。な。」


ドンへは、
「えー!」


「えー!じゃなくて、はいだろ!」



「はーい。」



ドンへは、ニコニコしながら返事をした。



はーいとただ単にドンへが返事したなんて知らずに。


そして、後にヒョクチェは後悔する。


寂しい時は、いつでも来い

と自分で言った言葉に。





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