頂物

□君はどこまで来てくれる? 雪木佐
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*君はどこまで来てくれる?


時刻は20時。


「あ、コンビニ行くけどなんかある?」

無性に冷凍みかんが食べたくなった
たまたまだから、うん

「えー、と。特にないです。俺行きましょうか?」

折角の休みのため木佐にゆっくりしてもらおう、と雪名は木佐に言う。

「平気平気」

そう言って家を出た。


「うわー、あれ中学生だよなぁ」

時期は夏休み中のため学生が多く歩いている。

中にはまっ金金に染めた髪で歩いていた。

「・・・つか帰らないとダメなんじゃねーの?」

20時って許されたっけ
だめだ、遠い記憶すぎる

早く買って帰ろう、とコンビニの前に来ると、


「邪魔だろ・・・」


コンビニの入口前でタムロしている恐らく学生五人組がいた。

つか、店員も追っ払えよなー
警察呼べばいいのに

引き返すのも面倒だったためそのまま入口に向かう。


「すみません。退いてください」

そう言うと五人組は一斉に木佐を見た。

「高校生?中学生?」

「俺らと同じぐらいじゃね?」

ちげーよ、俺は悲しいことに三十路だ

「あの、入りたいんですけど」

少し声色が低くなる。

「は!?」

えええ!?

キレた男達に木佐は軽く引く。

カルシウムが足りてないんじゃないのか


ガシッ

「金、あるよな?こーんな奇麗な顔傷つけられたくねぇよな?」

胸倉を一人に掴まれ木佐のイライラは徐々に上がっていく。

・・・殴っていい?



バキッ



「うが!?」

男が地面に倒れる。


「消えろ」


そう言ったのは男を殴った雪名だった。

怒りに満ちた顔は恐ろしく、学生は逃げていった。


「木佐さん、大丈夫ですか?」

何時もの優しい笑みで問われ木佐は頷く。

「つか、なんで来たんだ?」

コンビニで無事買い物をし、帰り道で雪名に問いかけた。

「いや、やっぱり木佐さん一人じゃ危ない!って思って」

「俺はガキか」



「ねぇねぇ、あの人かっこいい」

雪名のことか、と木佐は会話を続けながら向かいから来た女性陣の声を聞く。

「隣に居る高校生可愛い!」

「あ、わかる〜。癒し系だよね」

女性陣が通り過ぎた瞬間、

「ぶっ、」

「こら!雪名笑うな!」

噴き出した雪名を睨む。


「だから、言ったでしょう?」


一人じゃ危ないって俺は男だ!


end

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