世界一初恋

□「たった一日の…」雪木佐
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朝起きて身体を起こしたとき違和感を覚えた
身体がだるい訳でもなく熟睡したから疲れでもない

だけど胸のあたりが重く感じた

…胸‥?

まさかと思い手で触ってみる
そこにはついている筈のない柔らかいものがついていた

「…‥::」
急いで鏡の前まで行き確認する

「‥まじで…?::」
鏡の中の自分に女性の胸があり髪も伸びていた
喋って気付いたが声も高くなっていた

不意に浮かぶのは‥なんで?と言う疑問
朝起きたら女になっているなんて現実的にあり得ない
それが今自分に起きていた

幸い校了明けで仕事が休みなことに感謝した

そんなとき玄関の開く音がし
誰かが中に入って来た
誰だってのは予想はついている

足音はすぐ寝室へ向かって来た

「あ、木佐さん起きてたんです‥ね…‥え〜と‥」

「お、‥おはよう雪名…::」

数秒間沈黙が続き

「き、木佐さん…ですよね?」

「そうだけど‥」
また二人の間に沈黙が走る

そりゃ言葉出なくなるって
驚くしか出来ないのは当然だと思う
けど何か言って欲しい、気まず過ぎる

するとすぐに雪名が口を開いた

「なにがあったかよく分からないですけど…木佐さんかわいいです」
背景に花を散りばめ笑顔を見せる

「っ//か、かわいくない‥大体三十路のやつにかわいいはないだろ//」
赤くなった顔を誤魔化すように俯いて言う

「木佐さんだからかわいいんです、歳とか関係ないっすよwそれより何があったんですか?」

「俺が聞きたいよ‥::朝起きたらこうなってたし…校了明けたばっかで仕事休みで良かったけど::」
元に戻るのかと呟いているとまた雪名が口を開いた

「じゃあせっかくですしデートしませんか?w」
キラキラしたオーラを振りまき言ってきた

内心"外に出られるか!"なんて思っていたがそんな無知な顔見せられたら断れるわけもなく…‥
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