世界一初恋

□ 「届け」雪木佐(ちょいR入り)
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―コツ…コツ…コツ…

気のせいだと思ってたけど間違いない…

誰かにつけられてる

木佐は夜遅くようやく仕事が片付き帰路を進んでいた

時間はもう22時を回ろうとしていて疲れと眠気に襲われていた

駅のホームを出てから視線を感じ足音が追ってきていた

自分が止まれば足音も止まり
早足になれば足音もそうなる

…これってストーカーだよな…?‥

自分には無縁だと思っていたが今現在自分がされている

木佐は一度深く息を吸いダッと走り出した

自宅まであと数メートル
後ろの足音も追いかけてくる

自宅マンションのホールに入ってしまえばこっちのもの
木佐は荒くなった息を整え後ろを見た

はっきりとは見えないが黒い影が中をうかがっていた

「雪名には言えないよな…」
心配をかけたくないという気持ちからの呟きだった
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