アナログチャット
□第四章
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1.
“私、不登校児なの”
習慣づいた朝の挨拶を書き込んで、他愛もない話題に2・3触れてから、尾形からそんな書き込みを貰った。
少し緊張した文字。
件の俺の質問に対する回答の一端なのだと、理解した。
が、どうにも腑に落ちない。
何かが引っ掛かっている。
しばらく考えて、得心がいった。
“来てんじゃん”
尾形とは毎日こうして“会話”している。
彼女が学校を休んだなんて記憶になかった。
“そうだね”
尾形は肯定して、
“ありがとう”
と、続けて書き込んできた。
その文字から柔らかさを感じ取って、少し、ほっとした。