企画跡地

□No title,


「あ、お待たせしてすいませんでした」


「靖之くん、いらっしゃい」

 
「お邪魔、します……」

「なんだ、固いな」

「こういうの、慣れてないから……」

 
「女性比率が高いけど、あんまり気にしないでいいよ」

「お前は気にする程誰が誰だか見えてないだろうが」

「見えてなくても話は出来るよ」

「そっちは壁ですってば」

「えっと……」

「ネコさん、ネコさん」

「なんだ?」

「マキちゃんがおねむみたいだから、ちょっと送っていきませんか?」

「ふああ……」

「ああ、眠そうだな。でも2人で行かなくとも」

「ついでに次のゲストさんも呼んで来ましょうよ。ちょっとアレなゲストなので1人だと帰ってこれる自信がないんですよ。ネコさんがいれば心強いです」


「……待て。ちょっとアレなゲストってまさかアレか? わたしだって帰ってこれる自信はないぞ! イヤだイヤだ!」

「途中で桜さんか郵便屋さん誘いましょうね。この2人ならどうにかしてくれそうですし」

「いやいや、どうしてすみれは率先して行こうとするんだ……っまさか!?」

「くたくたくた……」

「!!」

「なーんちゃって☆」

「ばかあ! すみれのばかあああ!」

「ネコさん、泣いちゃやだよ」

「うう……マキ」
「ていうか、そもそも連れてきちゃダメな類のものだろう、アレは」


「でもおみくじにいるから紹介しないとだし」

「いたか? あれおみくじにいたか??」

「いるよー」


「でも、見てもあまり気分のいいものじゃないから、出現率はめちゃくちゃ低く設定してあるのよ。大吉や大凶も他と比べたら出現率は低いんだけど、これは相当なレアケースなのよ。見れた人は奇跡ってくらいに」

「でもあまり嬉しくないよね」

「イヤな気分にしかならないな。お得感が一切ない」

「なので13種類でコンプ諦めた方が賢明だよね。労力的にも精神衛生的にも」

「あれが『読めた』りしたら尚のこと精神的に不衛生だよな……」

「でも、大丈夫だって言ってたよ?」

「バカ、こういうものは大丈夫と言えば言う程疑わしくなるもんなんだぞ」

「はいはい、そこまで。さあ、行きますよー」

「はあい」

「いやだあああああ」
(ずるずるずる)
 
次へ


[表紙へ戻る]

ゲームブックを検索



©フォレストページ