蝶よ華よ!

□第六話
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最近ちょっと気になってることがある。

「また皆いない…」

ここ最近、いきなり皆が姿を消すことがある。
誰の携帯にかけても繋がらないし、一体なんだっていうんだ!

「仲間外れなんて典型的なイジメしやがって、あいつら…ゆるさん!」

月也の部屋から順番に突進するように訪ねまくる。
最後に行き着いた祐太の部屋を狂ったようにノックしまくってたら、やっとドアが開いた。

「あれ?華…あっ、ちょっと待っ」

びっくりする祐太を押しのけ、リビングに向かった。

「お前ら、いーかげんに…」
「はい、では今週の華也ファンクラブ会議を終わりまーす」
「…は!?」

な、何て言った?
皆は祐太の部屋で机を囲むように座っていた。

「ちょ、何してんの…」

呆然と声をかけると、今気付いたとばかりに月也が言った。

「あ?華也じゃん。何って会議だけど」
「何の会議?」
「華也ファンクラブ会議」
「いや、意味わかんねーし!」

いつものメンバーと遠野くんはキョトンとしてやがる。
揃いも揃ってバカじゃねーの!?

「まさか今まで急にいなくなった原因コレか!?てか言えよ!」
「だって華ちゃん怒りそうじゃーん」
「怒るって分かってんならするなー!つーか携帯かけてんだし取ってよッ」
「いや会議中は原則、携帯禁止だし」
「ムダに厳しいなオイ!ああもう、とにかく仲間外れしないでくんない!?」
「なんだ淋しかったのかよ」
「そーです!!」

月也と雪也に頭を撫でられて少し落ち着いたので改めて尋ねた。

「…で?皆で何の話してたの?」
「遠野リーダーが華也のこと知りたがるから、今までの生い立ちを話したり…そしたら他の奴らも聞きたいっつーからさ」
「な、何その残念な集まり」
「ちなみに今は小学4年生あたり」
「何気に進んでるな」

全く、そんなしょーもない話を聞いてどうするんだ。

「す、すみません!僕どうしても知りたくて…だって僕は華也くんのファンクラブのリーダーですから!!」

急に目を輝かして身を乗り出す遠野くんに少し引いてしまった。

「な、なんかキャラ変わってない?」
「ふふ、つい興奮してしまいまして…」
「ていうかファンクラブって、そーいうことするんじゃないでしょ!」

ファンクラブっていえばアイドルのコンサート行ったり追っかけしたり、そんなプライベートにグイグイ来ないんじゃないの?

「いや…華也は知らないかもしれないけどさ」
「え」
「ぶっちゃけ本物のファンクラブはもっとヒドイよ」
「そ、そうなの?」

ソファで聞いてた篠田も口を挟んでくる。

「葵のファンクラブはヤバイぞー、犯罪スレスレ」
「げ、マジか」
「あははマジマジ!」
「あーちゃん笑ってる場合じゃなくね!?」
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