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□今年一番の猛暑。
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今日は今年一番の猛暑なんだって。
まぁまだ一応夏ではないからそんなに暑くはないんだけどね。だってまだ5月だし。

…甘かった……
意外と暑かった。


「だぁー暑いぃー夏キタキター!」

「……項垂れてんのか喜んでんだかはっきりしろよ」

「うぇ?あ、跡部くん…」

「…やっと暖かくなって来たな」

「うん。寒さとおさらばだよねー」


うふふと笑う私。あ、キモい?
…いや、跡部くんは私と言う人間を知ってるから大丈夫!ってどんな保証!?
ほら!私が寒いのが嫌なこと知ってるから暑くてうふふってのは暑さで頭がヤバくなったんじゃなくて、純粋に嬉しいって事だよ!って事はわかると……


「…なんだ、その目はよ」

「え、や。夏が来て嬉しいねーって」

「…いや、俺様は別に……」

「えーー!?」


そんなー!
…あー…流石は秋生まれ…あ!!暑くもなく寒くもなく。ってのが好きなんだろー!裏切り者ー!そんな都合のいい季節が好きとは!自己チューー!って叫べば意味わかんねぇよ!何でそうなる!?って荒々しく返された。え、珍しい反応。あはは!なんかめちゃくちゃテンパってるとでも言えばいいのかな?


「…あまり暑いと部活動に支障が出る」

「あーまぁ確かに直射日光はちょっと…」

「毎年必ず過半数の日射病者が出るからな。ったく、あれほど鍛えておけと言ってあったはずなんだが…」


いや、跡部くん…日射病は耐えられないよ…意味ありげな目で見つめたらなんだその目はってほっぺを摘ままれた。え!痛い!けどなんか嬉しいっ!!


「バドも体育館閉めきるから熱中症になる子多かったなー」


手を離してくれたので、とりあえず話の続き。あれは、暑い。なんか暑いけど気温と言うより湿度も上がってもんもんと言うか…熱気がこもるんだよね。恐ろしい。


「…え……龍門寺お前…バドミントン部だったのか?」

「…………え!?今更!?」

「いや、わざわざ調べなかったな」

「……そっか」


………そうだよね。うん。わざわざ私なんかの情報を調べようとはしませんよねー
気になったりしたら跡部くんなら直接聞き出すか、調べあげちゃうんだろうなー
しかも私別に目立つわけじゃないしなー
目立ってんのは私の友達であって、私じゃないし。いや、別に金魚のふん的なのではないけどさ。帰宅部とでも思ってたのかなぁ…えー…私ってそんなに地味だったのか…もう少しクラスじゃ目立ってるもんだと…うわぁ…無自覚って怖いわぁ〜…恥ずかしいを通り越してイタいよね本当に。


「お前とはこうして話が出来るからな」


……え…今なんて…
確かに調べていないのに聞いた事もなかったな…なんて呟きながら悩んでしまった跡部くん。…え。それって、ちょっと期待してもいいのかな。少しは興味持ってくれてるって。


「…そういやお前の誕生日も知らねぇ」


いやいやいや!そんな唖然と、しまった!なんて顔されても困る!!しかも力こもってないのがなんともマジ過ぎて嬉しいんだか悲しいんだか。もうちょっと『うわぁ!お前の誕生日知らねぇ!!』ってぐらいのテンションでも…あー…似合わない。止めておこう。


「別に知らなくてもいいでしょーてか意外過ぎるなー」

「…何がだよ?」


ムスッと返された台詞。え、そんなに?


「…なんか跡部くんなら全校生徒のプロフィールとか完璧なイメージ。」

「お前な…確かに大体は覚えてるが俺様も人間だ。いずれ忘れる。まぁ名前と顔は一致するがな」


ハッ!と、言い切られた。うへぇ流石。私なんか同学年で一体何人知らない人がいることか…


「…で?お前誕生日いつなんだ?」

「え!話戻るの!?」

「…当たり前だろ。お前は俺様の誕生日を知っていて、俺様がお前の誕生日を知らないわけにいかねぇだろ」

「…自分で調べてみれば?」


へらへら笑いながら冗談で言ってみた。
そしたらまさかの、


「…お前……それストーカーっぽくねぇか?それでいいのかよ…」

「え、許可得てんだから良くない?」

「そういう……はぁ…もういい。」

「えー……跡部くんよくわかんないー」

「…で、いつなんだよ」

「………7月10日」

「夏生まれだったのか。なるほどな」

「…何が?」

「お前の寒がり症」


そういうのって関係あるのか?疑問に思ったけど跡部くんが言うならそうだろう。
…アバウトすぎるか。


「…まぁ……そうかも?」

「何で疑問形なんだよ」


そこからはなんかいつもと違ってだらだらした会話を繰り広げていた。珍しいな。アレかな、やっぱり跡部くんも久々な暑さにちょっとやられてんのかもなー


「…ね、アイス食べに行かない?」

「は?」

「暑いからアイス!何がいい?」

「……そうだな…」


真剣に悩みだした跡部くんを連れて人の少ない放課後の食堂へ。
半分こに出来るパ〇コに種まで食べられるスイ〇バー。王道でガリガ〇くんけど溶ける速度半端ないから考えた方がいいよーなんて跡部くんに教えて私はクラ〇キーのダブルチョコのやつ。サクサク大好き!
跡部くんは何を選んだのかなぁー?


「…なんだその目は。」

「………いえ、跡部くんらしくていいと思います。」


跡部くんが手に持つアイスはハーゲ〇ンダッツ。いや、なんからしいね。うん。似合う。けど…何でもう一つがパピ〇なんだろうか…それに対して言おうとしたら、


「…半分こ」

「…え、あ。はい。」


ちょっ!!!つい敬語にっ!!えー!!!半分ことか可愛い!!!そんな風に言われたら半分するしかない!!


「…なんだよ!」

「え?なにー?」

「顔が笑ってんだよ!」

「あははー」


今日はちょっと…いや、かなり珍しい体験をした1日でした。
もっと暑くなったら次はプール辺りに涼みに行こうかな?この学校施設いいしね。





「〇ピコの歌あるんだよー」

「何!?教えろ!」

「…え、ちょ…ちょっと恥ずかしいかな」





2012/05/23
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