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□ある日の氷帝【休み時間】
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「なぁ!!!久々にドッチやんねぇ?」


そう言った向日の顔は輝いていた。ドッチ?なんの事だ。と聞けば、忍足が答えた。


「ホンマはドッジボールやなかった?イギリスでやってる子おらんかった?確かアメリカではよお遊ばれておるやろ」

「……あぁ、あれか」

「マジマジ楽しそうだC!やろうやろうー!」

「小学校ぶりか!手加減はしねぇぜ?」

「面倒だな……」

「そんなことないよ!楽しそうじゃないか!宍戸さんあんなに嬉しそうだもの」

「じゃあ俺は審判やるね。」


そう言った滝だったがぼそりと髪乱れるから参加したくないんだよね。だなんて言いやがった。俺が微妙な眼差しで見れば何もなかったかのようなニッコリと笑って誤魔化された。


「んじゃテニスコート行かね?」

「この人数でテニスコートは広すぎじゃね?」

「いや、逃げがいがあんだろ」


氷帝中等部組で、ある程度の事を決めて、更にじゃんけんで(グッパーのこと)チームを決める。チームは…


【Aチーム】
俺様、ジロー、鳳、(外野→)忍足

【Bチーム】
宍戸、向日、樺地、(外野→)日吉


か、まぁ良いんじゃねぇの?



「宍戸さぁーん!!敵だなんて嫌ですー!」

「知るかよ!!」

「……跡部さんは敵か…下剋上だ…」

「なんや、樺地が敵やなんて不利やろー」

「……ウス。すみません。自分なりに頑張ります。」

「侑士!手加減はしねぇからな!」

「オレもうわっくわくー!」

「…もう始めていい?」


滝の声で全員が位置につく。ジャンプボールとかで鳳と樺地がなんかやるみてぇだな。


〜試合開始〜


「行くよ〜…はいっ!!」

「っ!」

「ばうわぁ!」

「ひっ!」


ドカアアアン。ジャンプボールから激しい開始となった。これには味方も唖然。跳ね返りのボールが怖く触れなかった。
そのまま外野へ。ボールを取りに行くのは忍足。華麗に投げる。Bチームで倒すべき相手は宍戸だと確信している忍足は宍戸を狙う。が、見事にキャッチされる。


「あぁ!アカン!すまん!」

「へっ!チョロいぜ!」

「流石!!」

「くらぇぇおらああー!」


そのまま高速でボールを内野に向かって投げる宍戸。狙った相手はまさかの跡部だった。ぐおんと音を立てるボールは跡部の顔面へ向かっている。


「あ、アカンっ!!跡部ー!」

「跡部避けてーー!!!」


一瞬の内に騒ぐ内野。
が、当の跡部は何も慌てた様子もなく涼しくボールを眺めていた。そして、首を少しずらしただけで華麗にボールを避けた。


「なっ!?避けた!?」

「…今顔狙いやがったな?」

「え、さ…さぁー?」


白々しいなとBチームの声。


「俺様の知ったルールが正しければ確か顔面はセーフだったよな?アーン?」

「いや、やっぱりな?お前の顔面には一度当てておきたいなーなんつって」

「…いい度胸じゃねぇか!」

「あ?」

「おい、日吉。ボール寄越せ。」

「え?はぁ、はい。」

「おい!?日吉お前味方だろ!?」


「食らえっ!顔面破滅へのロンド!」

「はぁ!?ぐはぁ!」


跡部の投げたボールは宍戸の顔面へクリーンヒット。跳ね返りをキャッチ。そして足を狙い当てた跡部。


「アウトー」

「…な…嘘だろ!ずりぃ!!!」

「はっ!何がズルいだバーカ。」

「いってぇー!」

「はい、宍戸アウトだから出てねー」

「くそっ、激ダサだぜっ……」





2012.9.5


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