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□君を愛する権利をください。
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まだ付き合ってないし、好きって言えてないんだって。あの跡部君がずいぶんと奥手なんだね。でも、そんな風に話す彼は幸せそうだった。


……ズルいよ……今更……誰なの?急に来て私の幸せを壊さないでよっ!!!どうして?他と違うって言って喜んでくれたじゃん。私だって外見や金持ちなところで近寄った訳じゃないよ。ありったけの想いは一瞬で消えて見えなくなってしまった。まだ触れてるはずなのに…関係を切られた時は悲しかった。突然言われて突然連絡が途絶えた。けど、この前見ちゃったんだ。『彼女』と一緒にいる『彼』を。付き合ってないって言ってたけど本当に仲が良さそうだった。今の彼には彼女しかいない。彼を愛せて、彼に愛してもらえるのは彼女しかいないってわかっちゃった。……うらやましいな。私にはなかったみたい。


今、目の前で幸せそうに笑う彼を見て心底彼女がうらやましいと思った。きっと彼女は特別な『権利』をもらったんだよ。


……ねぇ?跡部君…無理なお願いかも知れない。でも…
私にもね、欲しいの。


















どんな法律でももらえない権利。本人からしかもらえない。命をかけてももらいたい…




























そうすればきっと、彼に私を見てもらえるはずだから……





ーendー
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