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□変わった彼の栄養源。
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天気の良い日の事でした。とある公園へ向かう男女の二人組がいました。心なしか男の方はルンルン気分で公園へ向かっていました。何故か女性の方が荷物持ちの様です。何を持っているのか…
ピクニックですかね?何やらお菓子や軽食でいっぱいです。
全く…彼氏ならば荷物持ちくらいやりなさいっ!!って…え?ちょっ!女の方の目線がドキツいんですけど!?!?
あ、カップルではないと!
あーはいはい。分かりました。

おや、どうやら着いたみたいですね。さて私はお邪魔の様ですしおいとましましょうかな。それでは、物語をお楽しみくださいな。





















【ある日の公園で】






「はぁ。やっと着いた!」

「!!!ガキがいっぱい!」

「だからそうゆう反応止めてよ。」

「ど…どうやって関わろう!?」

「知らないわよ!声かけてみれば?(笑)」

「そうだなっ!!」

「えっ?!?マジ!?ちょっ!!!」




















「(あ、えっと…)な…何やってんだ?」

「……? !!あー!!!」

「!?!?」

「おにぃちゃんほいくえんにあそびにきてくれたひとだよねー!!!」

「えっ………」


あぁ!あの子確か氷帝保育園の子だっ!!どうりで跡部を知ってる訳だ!
……はぁ………
『えっ………』とか言ってテンパってたクセに……
おいっ!!顔っ!!
背けてんのは偉いがもういっそ見せてドン引きされてしまえ!!


「お…俺様の事わかるのか?」

「わかるよー!けどぼく、おにぃちゃんがきてるくらすじゃないからあそんだことなかったんだぁ〜…」

(なんだってぇぇーー!?!?そ…それなのに覚えてくれているのかっ!!え、マジかよ!)


………………


相変わらずドン引きな麗奈であった。


「じゃ…じゃあ遊ぶか?」


うわっ!ホントに誘った。


「!!ほんとう!?うわぁーい!!やったぁーー!!なおやくんがおにぃちゃんとあそぶのたのしいよっ!っていってたからいいなぁ〜…っておもってたんだ!!」
……あー…あの子か…(笑)
確かに人一倍楽しそうにしてるからなぁ…うわぁ…跡部嬉しそう…もう…。バックにいつもだったら薔薇があるのに今日はチューリップとかひまわりが見えるよ……


「な…な何して遊ぼうか?(♪)」

「うーん…じゃあおにぃちゃん!おすなばであそぼー?」


!!!!
なんだこの満面の笑みは!

うっ……しかし、
いくらチビッ子の願いとは言え、この俺様が砂遊び…だと…!?


「跡部……」


あー……葛藤してるなぁ……
うわぁ〜…顔が深刻だわ

心の中で爆笑する私。

いや、だって笑わずにはいられないでしょ!!


「大丈夫。ここにいる親御さん達は跡部のキャラ知らないし、知り合いもいないしさ。第一あたしも他の人には言わないから……;」

「………本当か?」

「…え?…あぁ…うん;」



……………

しばらく間。

あ、悩んでる悩んでる(笑)
どうすんだろ?
遊ぶのか見守るだけなのか…



「おいガキどもっ!!この俺様が全身全霊尽くして遊んでやるぜーー!!!!アーン!?」



「………………;」

「「「…………!?」」」



あーあ…親御さん達
驚いてんじゃん(笑)



「………;すいません…彼ちょっと変わってるんです…お子さん達に危害は絶対と言っていいほど加えませんので安心して預けてあげてください……」

「はぁ…;まぁ、それなら」

「それに彼、面倒見よさそうね」

「あらあら、イケメン君(笑)」

「あ…あはは…;」


で、なんだかんだでお母さん達は井戸端会議と言う名の3時のティータイム?(笑)
子供達は後でおやつかな?


「おにぃちゃんなまえは?ぼく『なおと』!!!」

「!!お…俺様は『けいご』だ」

「けぇごおにぃちゃん?」

!!!!??


(あ゛ぁぁぁぁーー!!!!)


…なんとなく心情が読めちゃう麗奈、ある意味こちらが変な顔になりそうだった。


(けぇごって!?けぇごっ!!可愛い過ぎんだよ!本当は『けいご』なんだがそこがまたなんともっ!!あー!!)



「『なおと』ってどんな字書くんだ?」

「こーだよ?」


そう言ってひらがなで砂に名前を書くなおと君。
あはは。可愛いなぁ…

……………。

意味が違うことにすら萌えてる跡部。うわぁ…

……に、

爆笑する私。

も…呆れを通り越してお、可笑しっ!!あはははは!


(ひ、ひらがなもうかけるのか!!すごいな!)


的な感じか?(笑)
あんただって小さい頃から教育受けてるんだから書けたでしょ。


「お……お母さんはどの人?」


と、笑いをこらえる跡部。
いや、笑いと言うよりは萌え?


「あれー」


って言った瞬間、
母親んとことんでって
漢字聞く跡部。


聞いてどうすんだよ…;


「えっ?えーっと直すに人で『直人』ですけど……?;」


そりゃハテナだわwwすいませんお母さん……ww


用事が済んだ跡部はまた直人君達の元へ戻って行った。


「おっきなお山つくるのー!」

「おぉ!そりゃデカイ目標だな!頑張るか!」

「ボクもつくるー!」

「お前はなんて名前だ?」

「ボク『けいや』ー!」

「おーけいやかー!頑張ろうな」

あ、もう漢字は聞かないのかww


ちゃくちゃくと砂の山が出来上がる。おー…すげぇ(笑)


「俺様の美技に酔いな!」


……はぁ?


いきなり、いつもの決めゼリフが聞こえたかと思って跡部を見ると、子供用の小さいスコップを片手に持つ跡部。なんともシュールだ…。…の足元には綺麗な砂のお城。

ひ…一人で作ったのか!?
ってかそんなスコップで!?
ど…どこでそんな技術をっ!!?あなた砂遊びしたことあったんですか!!


…まぁ、それを見て喜ぶ園児達。確かにスゴいわ…
なにやら貴方は最近になって不思議なスキルを身に付けた様ですねー…。

「お…おねぇちゃん…?」

「…ん?」


もしかしたら呼ばれたかも知れない方向へ顔を向けると、そこには小さな女の子が。

あ。


「姫華ちゃん!!」

「!!!」


やーん!カワユイッ!!///
超!満面の笑みっ!!
私も跡部程じゃないけど小さい子は好き。だって可愛いじゃん!
この子も氷帝学園の保育園に通ってる子で、私達が遊びに行ってるクラスの子。


「おぼえててくれたんだ!」

「あはは!忘れる訳ないじゃない!会えて嬉しいよ?」

「ほんと〜?」

「ほんとほんと!」

「えへへ//」


きゃー!かわゆい〜!!


「おねぇちゃんいっしょにあそんでくれる?」

「おー!もっちろんっ!!」

「わーいっ!!じゃあぶらんこいこー!」

「よーしっ!!競走だぁ〜!」

「きゃー!!」


私がそう言って走ると、はしゃいでついてくる姫華ちゃん。
跡部の方を見ると、砂遊びは終了してみんなで手を洗いに行っていた。その後、ブランコに乗った姫華ちゃんを押してあげていると、はしゃぎ声が聞こえて来たのでふとそちらに目を向けると跡部と男の子達が走ってくるのが見えた。
鬼ごっこでもしてるのかな?
まぁ、なんにせよ。子供達も跡部も楽しそうで何より!!
もうちょっとしたらおやつにしようかな?姫華ちゃんに聞いてみたら食べるそうなので、跡部にも声をかけて、男の子達も一緒に手を洗いに行った。


「おねぇちゃんおべんとうつくってきてくれたの?」

「うん!色々あるよ〜?」

「すっげー!!おいしそー!」

「ぼくこれー!」

「ボクもー!」

「わたしこれっ!」

「オレもー!」


「……………」


心なしか、意識のなさそうな跡部。これは見とれて……;


「………あのさ。」

「(!?)…アーン?」

「(……意識飛んでたな?)アンタも食べなよ。(見てないで)」

「(眺めさせろよちくしょう!)あぁ。有り難く頂く。」


何を思っているのかなんてわからないハズなのに目で会話。


「「「おいしー!!」」」

「ありがとー!」

「まぁ、確かに味はいいな。」

「なによ、『味は』って。」

「あー!けぇごにぃちゃんダメだよ〜?」

「えっ?;」

「すなおにおいしいっていわないとつくってくれたひとにしつれいだよ〜!!」

「うっ……」

「あははははwwだってさ(笑)流石氷帝学園の子だね!」

「チッ…。美味いよ。サンキュー…」


おい。そっぽ向いて言うんじゃない。あんたも習ったでしょうが!相手の目を見て話しましょうって!!


「ちゃんと『め』をみて『こころ』からだよー!」

「…………;」

「あははははー―!!え、偉いなぁ〜!!君たちは(笑)」

「ほらー!おにぃちゃんもありがとー!って!!」

「……あ…ありがとう(一応にっこり。)」

「(!!)どういたしましてー!」


…ヤバい。ちょっとカッコいいとか思ってしまった。
営業スマイルに近いもんって事はわかってるけど貴重な笑顔っ!!
か、かっこ良かった(笑)
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