小咄

□12月小咄
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「クリスマス、終わっちゃたなぁ…」
「…あぁ、それでコレの片付けかよ」
「結局またキョウヤにも手伝わしちゃってわりぃ」
「気にすんじゃねぇよ、出したモン片すのは…一人より二人だろ?」
「へへ、さんきゅッ」

「よし終わった!」
「こまけぇから時間かかったよな、ツリーも封し終わったぜ銀河」
「どこに仕舞って置いていいかな」
「…好きなとこに置いとけよ」
「そっか?…ならあっちの奥にでも」


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「キョウヤ、何の鍋がいい?」
「すき焼きだな、肉が一番だぜ」
「…即答かよ、野菜も喰うなら考えてもいい」
「肉だけでいい「ダメ!」

「すき焼きなら白菜とか葱とか入れるからな…絶対食べろよ」
「絶対?…肉喰う為なら多少は仕方ねぇか」
「オレもちゃんと喰うから、よし決まり!」

「キョウヤもオレも肉大好きだから、焼豆腐はナシにしてみたんだ」
「オイ、生卵よこせ」
「足りなくなったらこっち使えよ」
「へぇ、すげぇうまそうな肉だな」
「へへ、父さんから貰ってきた。お歳暮だって」
「…流星からのお歳暮かよ」
「ま、名目は何でもいいじゃん、早速食おうぜッ」


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「つまらねぇ」
キョウヤは独り言を呟く。
そう、喋りかける相手が今夜はいないのだ。
「大掃除じゃ仕方ねぇか」
年末の恒例行事である大掃除をしに、銀河は父流星と住むマンションへと泊り込んでるのだ。
「あー、退屈だぜ…」
何をしても身に入らない現状に辟易し、読んでいたはずの雑誌を閉じかけた時。

「…この間の試合の特集か?」
ふと見えたページに銀河の姿が。
キョウヤはこの試合にエントリーしていなかった。修行の旅に独り出ていたからだ。
「オレが出ないから決勝も圧勝だな…ん?ナンだこのインタビュー…」

『銀河選手、恋人はいるんですか』
『こ、恋人?!って』
『あ、顔が赤くなりましたね』
『え、えっと…いるぜ、』
『やっぱり!噂どおりの事実!で、お相手の方のことちょっとだけでも教えてくださいよ』
『は、恥ずかしいンだけど…オレにとって一番、大切で…一緒にいることができるのがいまだ信じられないくらい』
『おお、すごい惚気に聞こえますねぇ』

「…フン、可愛いカオしてんじゃねぇぜ」
銀河の、照れているショットが載せられたそのページをキョウヤはじっと見る。
「こんな写真、撮られてんじゃねぇっての…」
そう、この感情は嫉妬だ。
銀河がオレのことを想いながらこのインタビューを受けたのだからこそ撮れたこの写真。
これを不特定多数に見られてる事実がキョウヤの心を苛立たせるのだ。


終わっちゃっていいすか…
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「キョウヤッ!みんな!」
「そいつか、冬の星座のオリオンのベイを持つヤツは」
「ああ!クリスっていうんだ!」
「お前か、銀河の色気に誘惑されたって…なぁ」
「え、えッ キョ、キョウヤ何言ってんだよ!」
「は?誰だ、銀河、この男は」
「オレは盾神キョウヤ、銀河の全てを支配する男だ」


それくらいの自己紹介してくれ
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「オレたちも正宗とキングみたいに合体転技やろうぜキョウヤ!」
「くだらねぇ」
「ええーッ!すっごいイイって思ったのに」
「フン、やるワケねぇだろうが」
「ふーん…もしかして失敗するのがヤなんだろ?」
「あ?何言ってやがる、オレがミスるわけねぇだろう」
「じゃあ一回練習しようぜ!なあなあキョウヤ〜」

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「まぁたてめぇはどうしてこう…色気ふりまいてンだよ」
「へ?何言ってんだよキョウヤ」
「クリス…だったか、気にいらねぇ…てめぇとバトルしてるってだけでこっちはムカついて仕方ねぇってのに」

「ムカツクってもな、同じ四季のレジェンドブレーダーとして仲間になるんだから」
「前のヘリオスの時もてめぇは二人っきりで宇宙まで行きやがって…お前の周りは気にいらねヤツが多すぎだぜ」


アニメでクリスにお誘いしまくりの銀河…
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「やっぱりあたたかい〜・・・でも今日は一人、なんだよな」
湯たんぽが足元から柔らかな温かさをもたらして。
「…湯たんぽよりも、キョウヤの方のあったさが欲しい…」
オレもキョウヤと同じ。互いの温もりこそが最高の湯たんぽだって知ってるから。
「キョウヤ、またウルフキャニオンだろうなぁ」
夜通し特訓してくるぜ、そう言い残して消えた彼の向かう場所は見当が付いていて。
それは一度もオレ行ったことのない…彼の、原点とも言える場所。
「オレも…もっと頑張ってキョウヤと最高のバトルをするために、明日は本部に行こ…う…」
キョウヤには及ばなくとも湯たんぽが少しだけオレの寒さと孤独を埋めてくれた。その暖かさに知らず夢の世界へと意識は落ちた。

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「へぇ…、でも何となくオレは知ってたぜ?」
「…え?」
「お前はいつも人に囲まれて賑やかなイメージがでかい…でもよ、ふとした拍子にその輪から意識ってのか?独りになる瞬間がなんとなく判るんだよ、オレには」
「 −ッ、よく…オレのこと見てるんだな、キョウヤ」

「それは褒め言葉としてとっとくぜ?…それだけお前はオレにとって…フン、これ以上おしゃべりにならねぇうちにシャワーでも浴びてくるとするか」
「え、ええ?!」

「残りは、夜…お前の耳元で囁いてやるよ」
「!」


あーもっといちゃついてー

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「雪って降らないよなぁ」
「…あのなぁ、ここは山じゃねぇンだぜ?この時期、降る事はねぇな」
「つまんねぇな、雪だるまもつくれないなんてさ」
「降ったとしても、積もらねぇんだって前も言ったろ」

「…キョウヤと雪山で二人きりってのも何かいいなーって今思った」
「遭難でもしてか?」
「遭難は嫌だけどさ、雪降ってるとすげぇ外が静かなんだぜ?この街はいっつもにぎやかだろ…だからかな、静かな所に行きたいって思って」


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「お、オレを湯たんぽ代わりにすんな!」
「湯たんぽってのが気にいらねぇなら、そうだなぁ…じゃあ抱き枕ならいいか」
「ッ、それもヤだ…」
「…オレがいいんだから問題ねぇ、文句言うな」
「横暴…だよな、キョウヤってば」

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「今度は何だ、それは」
「入る時さ、ちょっとひやってするから」
「・・・またいらねぇモン増やしやがってよ」
「さて、と用意しとこっと」
「?」
「あ、これ、湯たんぽなんだ。お湯入れて布団の中に入れればぬくぬくできるぜ!」
「…何かと思えば湯たんぽかそれ」
「だってー、炬燵であったまってからソファベッドに入るとやっぱ冷たくってやなんだよ」
「そんなん気にすることかよ?」
「あったかいほうがいいじゃんか」

「…お前だけだろ、ンなモン必要なのは」
「キョウヤは冷たいのヤじゃねぇの?」
「ハ、気にしねぇよ」
「…寒くっても腹だしてるしなキョウヤはさ」
「鍛え方が違うんだよ、それにオレには専用湯たんぽがあるからなぁ」
「へ?」
「お前抱きこんでりゃ問題ねぇからな」
「!」


お約束ってコトで
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「皆既月食っていうのか…」
「今日は満月に近いから…はっきりと見えるんじゃねぇのか。赤い月がよ」
「え?月が赤くなるのか?…へぇ」
「なかなか見れるモンじゃねぇからな。起きてるんだろ?銀河」
「…ん、でもさ…少し眠いんだよな…」
「ったくガキ。…ガキじゃ出来ねぇコトしてれば眼、冴えるだろ?」
「ひゃぅッ!」
「クク、敏感…だよな、お前…月の見えるこの場所ならヤッてても視界に入るよな」

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