小咄

□過去拍手お礼2012
1ページ/1ページ

↑NEW


「どこもかしこも桜、桜・・・ってヤツだな」
「ここの木も桜だったんだってわかった時はさ、何か得した気分だったし」
「・・・オレもあったこと忘れてたしな」
「ここら一帯廃倉庫街だから人通りなんて滅多にないし、静かな花見ってのが出来るってコト」
「静かな、ねぇ・・・お前、みんな呼んで花見するって言ってたじゃねぇかよ」
「それはあとで!今日はさ・・・二人だけでするんだ」
「あ?」
「・・・だから、今はキョウヤとオレだけ」
「・・・へぇ、お前にしちゃ上出来だな」
「あ、何だよその言い方はッ」
「褒めてるじゃねぇか」
「・・・うー、褒められてない気がするけど・・・キョウヤ、ここ座ろうぜ」
「ビールはねぇのか」
「まだ未成年だし昼間だし、持って来てるワケないだろッ」
「・・・ハイハイ、耳にタコできるぜ」
「ほらジンジャエールで我慢しろって・・・料理しっかり食べろよ?」
「当たり前だろうが、全部食ってやるからさっさと寄越せ」



間。



「もう食えねぇ・・・ふあ、何かいい気分になっちまった」
「ジンジャエールで酔ったフリか、キョウヤ」
「気分だけな、・・・枕になれよお前」
「え?・・・あ、ここで・・・寝るの?」
「花見する時は膝枕ってのが定番だろ」
「・・・定番?オレは構わないけど」
「・・・桜と、空と、・・・なかなかいい眺めだぜ」
「ふーん、今日はあったくてホント花見日和でいい気分・・・何、オレになんか付いてるか?」
「・・・いや、何でもねぇけどなぁ」
「 −ッ、ちょ、なに、」
「・・・人目がないってのが好都合、全部独り占めしてやる・・・空も、桜も・・・お前もだ」
「ン、ぁッ、や、触らな・・・いで・・・って」

「キョーウヤさーんッ!」
「銀河ぁ、こっちにいるのー?」

「「!!」」

「・・・チッ、邪魔が入ったな」
「は、ぁ・・・、(た、すかったかも)」
「銀河、あからさまにホッとしてンじゃねぇ・・・オレはこのまま見せ付けてやっても問題ないんだぜ?」(ニヤニヤ)
「・・・キョウヤがよくっても、オレは絶対ヤだからなッ」(真っ赤)
「じゃあ膝枕だけなら許せよ?」
「え?・・・って、キョウヤ・・・狸寝入りする気かよ」
「アイツらテキトーにあしらっとけ、いなくなったら続きだな」
「・・・もう、自分勝手すぎだぜ・・・」






2012/4/9
----------------

「うわッ、今日はずいぶん風が強いぜ」
「いい風じゃねぇか、…春一番ってヤツだな」
「え、もうそんな時期なんだ」
「まあ春一番が吹いてもすぐに春が来るわけじゃねぇしな」
「ふーん、でもいい感じに暖かい陽気だよなぁ」
「フン、もっと吹き荒れて欲しいぐらいだぜ?…ウルフキャニオンにでも行けば…」
「あ、行くなよな!今日は本部行ってオレとテストバトルするんだろ」
「…チ、メンドクセー…」
「テストバトルだからって手は抜かないからな!覚悟しろよ、キョウヤ」
「何言ってやがる、覚悟するのはてめぇのほうだ」
「あ、さっきまでメンドクセーって言ってたくせに」
「うっせーよ、今日は屋外だったよな?バトル場所は」
「…この風、利用する気満々だなキョウヤ」
「当たり前だ、まぁ利用はするがオレのおこす竜巻の方が強力だぜ」
「へへ、すっげぇバトル出来そうだ」
「テスト、なんて言ってられねぇくらい本気出して来いよ」
「おう、お前とあそこで手合わせするのは久しぶりだしな…ッ、…ん、いてて」
「あ?」
「…目にゴミでも入ったかな…ゴロゴロして…」
「バカ、目ぇこすってんじゃねぇよ」
「…んー、え、ぅあ?」←キョウヤが銀河の至近距離、瞳を覗き込んできた
「…見えねぇよな…おい、瞬き何度もしてみろ」
「う、うん」←素直にぱちぱち繰り返す銀河
「涙出るまでやるんだぜ?…どうだ」
「…あ、なくなった、かも」
「涙で流れたみてぇだな…」
「ひゃッ!」
「…しょっぺぇ…」
「舐めるなよぉ…ゴミ入ってるかも知んないのに…」
「ンなもん判るわけねぇだろうが、もう平気かよ」
「ん、大丈夫そうだぜ。サンキュ、キョウヤ」
「じゃあ礼を貰おうか」←ニヤリ
「へ? −ッ、ン、ンン −ッ!」
「(まったくよ、可愛い顔見せ付けやがって)」



この二人、テストバトルの約束時間には間に合ったようです。
が。
「銀河!ここに来るまでに何があったんだッ」
「父さん?」
「目が赤いし目許も…ッ、キョウヤに泣かされたのか?!」
「ぁあ?!流星ナニ勘違いしてやがるッ!」
「可哀想に…銀河!実家に戻ってきなさい!」
「ちょ、ちょっと!うわ、キョウヤも父さんも何でベイ構えてるんだよッ」






2012/3/18
-----------------

「オレ、このままキョウヤと冬眠したい」
「…何イキナリ変なこと言ってやがる」
「冬の間中、なぁんにもしないでずっと眠ってたい…」
「そりゃ随分と怠惰な願いだな」
「誰もさ、いない場所で二人きりで…ってすげぇ良くないか」
「…二人きりってとこは良いが、冬眠はしたくねぇな」
「そこは賛同できるんだ、なら一緒に冬眠しようぜ」
「したくねぇって言ってンだろうが…お前、人の話訊けよ」
「んー気持ちいいんだよな…こうやって心臓の音聞いてると…眠くなる…」
「オイ、本当に寝るなよ」
「キョウヤがオレと一緒にいるなら…オレはどこだって冬眠できる」
「オレはお前の安眠枕か何かか?」
「んーと、抱き枕も兼用…」
「お前が冬眠してぇってことはわかったが、オレはイヤだぜ」
「じゃあさ、キョウヤは何でヤなんだよ」
「ただ寝てるだけってのが気にいらねぇ」
「寝なきゃ冬眠って云わないよな?」
「混ぜ返すんじゃねぇよ、お前と二人きりだぜ?眠るだけなんてもったいねぇ」
「もったいないって…何のこと?」
「言わなきゃわかんねぇか?…こーゆーコトもしてぇって…なぁ」
「ンぁッ」
「好きな時に好きなだけ…寝てるヒマなんて与えないぜオレは」
「い、今とかわらないだろッ!」
「だから冬眠するには向いてない、お前と一緒なら尚更だ」
「一緒にって撤回!お、オレ一人で冬眠するーッ」







2012/2/18
-----------------

「炬燵ってホントあったかいしいいよなぁ」
「…毎日毎日、よく飽きずに同じセリフを云えるモンだな」
「だって気持ちいいんだよ、ぬくぬくしてて」
「で?この蜜柑もしっかりとここに置かれているよな」
「炬燵と蜜柑は切っても切れない仲なんだって。暖まって喉渇いたときの水分補給だろ、蜜柑は」
「…ほんっとお前は年寄りクセー」
「余計なお世話だっての、キョウヤだって炬燵に入ってて気持ちよくないのかよ」
「まあ、キライじゃないよな…」
「で、この炬燵で食べる鍋ってのがまたサイコーって思わねぇ?」
「ん?夕メシは鍋かよ、湯豆腐ならパスだぜ」
「大丈夫、今日はすき焼きにするからな!」
「そりゃ楽しみ……オイ、何だこの足は」
「んー、何となく悪戯っての?」
「…ガキ、 −ッ、ドコ蹴ってやがるッ」
「え、あ…ッ わ、わりぃってワザとじゃない −ッ!」
「へぇ…てっきりお誘いかと思ったぜ? クク」
「ち、違うッ、わ、足、離せって…ッ」
「捕まえたからには…、こうしてやる」
「うひゃははッ!だ、ダメッ足の裏くすぐん、ない …でってばッ!あははッ!」
「…色気もなんもねぇ笑い声だな、銀河」
「色、気って、うはははッ、もーやだって…ッ、ひゃうッ」
「…」(無言で、銀河の足を離すキョウヤ)
「…は、はぁ…ッ、も、まだなんかムズムズする…っての」
「煽ってくれた礼は、あとでたっぷりな?」
「え、ええッ?!オレ煽ってなんかないぜッ!」






2012/1/10

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ