小咄

□3月小咄其の二。
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「このくらい荒ぶってなきゃここに来た意味がねぇからな」
全身に当たる、叩きつけられるような強風とそれに付随する大粒の雨。
時折下から吹き上げるような風に自らの身体を吹き飛ばされそうになる。
そんな中、オレは目の前にいるはずもない「ヤツ」の姿をギラついた二つの眼で見据えるのだ。
「・・・オレは必ずてめぇをこのレオーネで倒してやる!」
いるはずのない対峙する相手に向かって腹の奥底から叫ぶ。
それこそ吼えるように。

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キョウヤがオレと闘う為に日本チーム入りを拒んだこと。
オレと一緒に闘う事を拒んだこと、頭で理解できていても心が追いつかないこの現状に情けなさを痛感してもなおも募るキョウヤへの・・・オレのこの想い。
「オレだってお前と・・・闘いたい、だからこの想い・・・貫いてみせる」
キョウヤは絶対オレの前に立ちはだかる。
だからオレももっと強くなってお前と対峙したい。
そのときが来たら、まだ伝えていない言葉をお前に。


ついったお題
「想いを貫きたいんです」
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「お前、オレが気づかないと思ってンのかよ」
「ふ、あ・・・ッな、んの」
「指、スキなんだよな」
「ッ!」
「見えるように触ってやろうか」
「や、それ…ぇ…ッ」
「オレの指がココ、気持ちよくしてやるぜ?じっくり見ろよ…」
「ひゃあ!あ、ァアッ」
「こっちも一緒に…な」
「いッ!」
「乳首もココも反応早いよなぁ…銀河」
「ンンッ、それ、やぁ…」


ついったお題
「フェチ/激しくして」
銀河はキョウヤの指フェチ
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「オレ、キョウヤのトコで花嫁修業することにした」
「…は?」
「オレはキョウヤのお嫁さんになるって決めたんだッだから結婚できる歳までキョウヤと同棲する!」
「ちょっと待て!何がどうなってそう言うことになるんだお前!」
「キョウヤがオレに告ってくれたからだぜ?」
「告…ッ?!あれはちが…ッ」
「何今さら照れてるんだよ、キョウヤってば。オレもうあんな熱烈な愛の告白されたらキョウヤのトコに嫁ぐしかないじゃん!だから・・・よろしくな?」
「思い込みが激しいンだよ!銀河、てめぇは!!」


ついったお題
「花嫁修業することにした」
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「ギンギーンッ!」
「わ、遊ッ?」
「遊びに来たんだよ、タテキョーはいないの」
「ん?まだ外で筋トレしてるのかな」
「ふーん、ってギンギン何か甘い香りするんだけど」
「おやつのマフィン焼いてたんだ。遊も食べるだろ?」
「わーいッ!ギンギン大好き!」
そこにちょうどいいタイミングで外から裏口を開けたのはキョウヤ。
「誰か来てンのか」
「あ、タテキョーおかえり!」
目にした光景は、銀河が遊を抱き上げている姿。
しかも遊はその銀河にべったりと抱きついていた。
「おいこら遊ッ!銀河に勝手に抱きつくンじゃねぇよ!」
「うわ、タテキョーこっわーい」
「ンだとてめぇッ」
「ちょ、ちょっと」
「ギンギン助けてー(だって無防備なんだもん、ギンギンはさぁ)」
「銀河、ソイツと離れろ!」
「やっだよーだ」
「…ッどうやらオレを怒らせるのが得意のようだな遊」
「タテキョーの短気ー」
「ちょ、遊、キョウヤも…ッ」


ついったお題
「好きだから好きって言った/(無防備すぎるよ)/怒らせるのが得意」
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「オイ、なにニヤけてやがる」
「うえ?」
「…ヘンな声出すんじゃねぇよ」
「オレ、ニヤけてるのか?」
「…誰がどう見たってそうだとしか答えようがないぐらいにな」
「…ふーん」
なんだかキョウヤが片眉を上げてオレのことを訝しげに頬杖をついて見ている。
今オレはいろいろと思い出しているのだ。
キョウヤにオレ自身が愛されてるなぁって思わせる出来事を。
だからそんな顔になるんだぜ?


ついったお題
「愛されているという実感」
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「オレ、キョウヤのキスはみんなスキだけど…特別なときにくれる優しすぎるくらいのキス、あれが一番スキだ」


こんな台詞、銀河に言わせたいな
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「オレが欲しい、そう思うのはキョウヤだけ…だって」
「ンなこと言わなくても…わかっていたはずなのにオレもヤキがまわったぜ」
「ううん、オレ、ちゃんと言葉で伝えていなかった。言わなくてもお互いわかってるって」
「…銀河」
「へへ、やっぱキョウヤはキョウヤだよな」
「…ったく、かなわねぇよな」


ついったお題
「ほしい。」
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銀河、てめぇは嘘吐きだな。
オレのことを最高のライバルだとかぬかしながら、他のヤツにも同じ事をいいやがる。
…オレだけじゃねぇ、だから嘘吐きなんだお前は。

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「あれは恋煩いっていうのね、きっと」
この頃、キョウヤが仲間内と一緒に何だかんだと行動していても、ふとどこか心ここにあらずといった状態だ。
そんな様子を物陰からのぞいていたまどかが隣で不安げにしているベンケイにそうちいさく囁いた。
「キョウヤさんが…恋、わずらい…じゃと?!」
「しーッ、聞こえちゃうでしょッ…あんな風なキョウヤってベンケイ見たことあるの今まで?」
「ない、のぉ…だからと言って」
「乙女のカンは鋭いのよッ、間違いないわ」
「…ねぇまどかちゃん、相手は誰なんだろうね」
「…銀河よ」
「「は?」」
「キョウヤは間違いなく、銀河に恋しちゃってるの」
「「ええええ?!」」


ついったお題
「恋煩い」
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「きっとこの出会いはさ、オレにとって運命の赤い糸が導いてくれたんだとおもってるぜ!」
ぶーッ
「イキナリ何いってやがるッ!」
「キョウヤとオレは結ばれる運命だってことを再確認してたんだけど」
「デュナミスも言ってただろ?星の導きとかなんとかさ」
「…ンなモンに運命決められてたまるかよ、えらい迷惑な話だ」
「…オレとの出逢いは迷惑、だってのかよ」
「誰もンなこと言ってねぇだろ!」
「…オレとキョウヤ、運命の赤い糸ってので繋がっていたんだって思えてさ」
「…あーそうかよ、お前またまどかやヒカルと少女漫画でも読んでたんだろ…」


ついったお題
「運命の赤い糸とか(笑)」
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「首輪、みてぇなモンだな」
そう言ってキョウヤは己の首にいつもかけていた皮のネックレスを外した。
銀河は下からその動作を、まだ呼吸の整わない状態でただ見ているだけになって。
外されたソレをキョウヤは組み敷いた銀河の首へと回そうとしたが、
「…このままじゃ長ぇな」
と呟き、歯で咥えて引きちぎる。
無理やり短くした革紐から飾り代わりにしていた石を外して、銀河の首に巻き付けた。
されるがままの銀河にキョウヤは頬にキスを落とした。
「…似合うぜ?…婚約指輪の代わりに首輪ってのもよ」


ついったお題
「婚約指輪の代わりに首輪」
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キョウヤが銀河を壁に押し付けてみると、ビクンっ!と身体を震わせたあと、目を潤ませてこちらをみてきました。

「さっきまで玉葱切ってたんだよ…ッンなカオで見んな!」
「…泣き顔だったから…何かあったのかと思っちまった…」


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キョウヤが銀河をベッドに押し倒してみると、「おい!やめろ!」と身体を払いのけてきましたが、顔は真っ赤です。

「抵抗したってカオも身体も正直だぜ…カワイイよなお前」
「かわいい言うな!」
「大きい声出すと気づかれるぜ?」
「だ、からやめろって」

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「も、追いかけてくんなッ!」
「てめぇが逃げっからだろ!」
バシャバシャと二人が地面の水を蹴る音が響く。
それ以外は天からとめどなく落ちる、強い雨音だけ。
「うわッ!」
銀河が水溜りの窪みに足を取られてバランスを崩した瞬間、
「ッ」
後ろから強い力で肩を掴まれた。
そして。
降り続ける豪雨の中、何もかもずぶ濡れのまま。
銀河はキョウヤの腕の中に抱きしめられた。


ついったお題
「ズブ濡れで抱き合う」

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