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□02 ツッキル。
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北海道でのビンボー生活の中、必死こいて奨学金を手に入れた私はLimousineすなわちリムジンなど生で一度も見たことがなかった。
…いわんやピンクをや。
さすが名門校の理事長は違うなぁ。
人生初の景色を眺めながら人生初のリムジンを堪能した後、
到着したのは一流ホテル…
…ではなくボロい寮しかも男子の。しかも"旧"。
リムジンからのまさかの廃墟ですか。
ここへきてギャップですか。なんも萌えねーよ。
『えっと…。ここは…?男子寮…ですよね?』
大方予想はついていたが、嘘であると期待して一応尋ねてみた。
「はい☆これから侑花さんにはここで生活してもらいます。
心配御無用!
ここには大浴場もキッチンもあります!
全てご自由にお使いください☆」
……やっぱり?
てか語尾に☆つけんのやめてくんねーかなまじでアンテナもぎとって地肌に5円玉くっつけて穴んとこからアンテナ生やして縁起の良い感じにしてやっぞピエロのおっさん。
『…そうですか。あ、ここに住むのは私一人ですか?』
今のところ冷静を保っている私偉い。
「いえ。もう一人この寮で住んでもらう方がいらっしゃいます。その方とは近々お会いすることになるでしょう。その日までのお楽しみです☆」
…あの☆はおそらくメフィストさんの相棒なんだ。亀山くん的な位置なんだ。略してカメポジなんだ。気にしたら負けだ。
『分かりました。』
「では連絡の際にはメールか電話を使いますので常にケータイはケータイしていてください☆」
おいお前紳士なのかオヤジなのかはっきりしろぉぉお!!
☆やめろぉぉお!!
バチカン…変換ミスった。
バチコーンとウィンクをしてメフィストさんはピンクのリムジン略してピンリム…語呂悪ぃなおい。で去っていった。
『ぬふぅ。今日は憑か…疲れた……』
ツッコミスキル略してツッキルUPしたわ絶対。