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□あまいもん。
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今日は侑花との遊園地デートで、僕としたことが楽しみで楽しみで昨夜はほとんど眠れなかった…
眠気眼で見上げた青空が眩し………
……かったら良かったのに。
今日は生憎の雨。
予報では明日の深夜に降り出すはずだったのに。
僕は雨男なのだろうか…
生粋の雪男だと自負していたのだが、みぞれ男なのかな……
なんて、沈んだ気持ちで面白くもなんともないことを考えながら堕ちてくる雨粒を追っていると侑花から返信が来た。
『
せっかくの休みだし
私の部屋来ない?
雪男が良ければだけど…
』
行きますとも!!
行きますとも!!
「
もちろん良いよ。
じゃあ、準備できたらまたメールくれるかな?
」
顔のニヤけが文面に表れないよう、送信前に4、5回確認して送信した。
僕は意外と単純なんだな。やっぱり兄さんとは兄弟だ……
兄さんと同じ単純な人間であることに嫌悪感を感じないのは、気付いたきっかけが侑花だからか。
侑花から来ても良いよというメールを確認し、僕は部屋を出る。
午前10時。
奥村雪男15歳。
いざ参る。
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