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□08 めいくふれんず。
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………って待てぃ!!!
あの真面目っぽくないってか不良みたいな鶏金メッシュのお方は…
朝激突したピンク頭のいたとこのボスか!
…どうしよう。
謝ってこようかな。
もう忘れてるかな。
いや、特進科ってことは記憶力良いだろうから多分覚えてるな。
…よし、謝ってこよう。
『……あの〜』
「あぁ?」
…あぁ?って言われた!
もう私死ぬかもしれない…
『えっと、同じ特進科の紫淡侑花です…。
今朝あなたのお連れの方と衝動してしまって大変申し訳ないなと……』
「おぉ!あんときのか!
いや、あれはうちの連れの不注意やったからな。
紫淡さんが気にすることやないで。
あとであんのド阿呆に謝りに来させるわ。
あ、俺は勝呂っちゅーねん。よろしゅうな。」
…なんやこの人!
めっちゃ良い人やんけぇー!!
不良みたいなとか行ってごめんなさい。
まじ土下座したい…
『いえいえ…こちらこそよろしくお願いします。』
勝呂君と打ち解けてきた頃、凄まじい足音が聞こえ、音のするほうを見てみると朝のピンク…志摩君が物凄い形相で向かってきていた。
「坊ー!!」
坊…勝呂君のことかなと彼を見てみると深々と溜息をついていた。
「坊!なんで侑花さんと親しげに話してはるんですか!?」
「うるさいわ!!紫淡さんは朝お前とぶつかったことを謝りにきたんや!
お前も土下座くらいしろド阿呆!」
勝呂君の怒りなど慣れっこであるかのようにあしらって志摩君は輝く瞳を私に向ける。
「侑子さん…まずはオレとお友達になってくれませんか?」
『…え、っと。私で良ければ。』
志摩君の熱意に負けてアドレスを交換し、後から来た三輪君とも打ち解け、そろそろ待たせている友達のところに戻ろうとした時、
「侑花?」
私の名前を呼びながら雪男がやって来た。
『あ、奥村君。
女の子達はどうしたの?』
ちょっとだけ嫌味っぽく言ってみる、
「どうもしてないよ。
僕ら理事長に呼ばれてたよね?
…行こう?」
理由は微塵も分からないけれど私達を通り過ぎた背中は少し冷たかった。
『…あ、ちょっ…待って、』
雪男を追いかけようと急ぐと志摩君に腕を掴まれ、
「…奥村君と、どんな関係なん?」
今日何回も尋ねられた質問に対し、苦笑しながら返事を返す。
『ただの幼なじみですよ。
それじゃあまたね。』
待たせていた友達にも別れを告げ、雪男を追いかけた。
雪男の背中はもう見えなかった。
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