青エク

□5
2ページ/5ページ


「坊ー、いっくでー」


志摩くんと子猫くんが勝呂くんを迎えにきたようだ。


「桃さんも一緒にいきませんか?」
『わたしー?ごめん、なんか人に呼ばれてるから先いってて?』
「はよきてやー?俺桃ちゃんおらんと寂しいねんからぁ〜」
「はよ行くぞ」
『あはは、ごめんね〜!』


あ、やばい、はやく行かなきゃ塾に遅れるハメになる・・・




『ごめんなさい!待ちました、よね・・・?』
「あぁ、いやっ!全然・・・///」
『話ってなんですか?』
「あ、あの・・・・・俺、秋山さんのこと好きです!!!」



ビ ッ ク リ だ 。


なんでこんなあたしに好きなんて言ってくれるんだろ・・・
眼科勧めたほうがいいかな・・・


『あ、あの・・・あたしあんまりあなたのこと知らないし、
あたしと付き合ってもおもしろくないだろうし。
えと、やらなきゃいけないこともあるから、ごめんなさい・・・』

「そ、そっか。ごめんな?友達になってくれるか?」
『うん!いいよ〜、よろしくね?』



あたしには、やらなきゃいけないことがある。

ましてや、一般人を巻き込んだら絶対ダメな



あ、最悪だ・・・
時間は塾が始まる2分前を指していた。


『やばいやばいやばい〜〜〜っっ!!』


最悪なことに、初めの授業は雪の授業だ。
遅れたりなんかしたらメガネの奥に光る目で殺されてしまう。


適当な鍵穴にさしこんで塾の廊下を激しく駆け巡った。




「では授業をはじめま『セーフっっっ!!!』


いや、絶対セーフだ。
許してくれるはずだぞ、雪は。


「・・・アウトです。」
『えぇっ!?なんでぇーーー』
「もうそろそろいいですか?そんなに気は長くないですよ・・・?」
『す、すみませんっ』


あぁ、怖い。
おばけよりも怖いよ。

メガネの奥が見れないよ・・・



「えー、新しい仲間が増えました。しえみさん、」
「ははは、はいぃっ!も、杜山しえみですっっ・・・よ、よろしくおねがいします」


小さくなる声を必死に聞き取った。


可愛いな、あの子・・・
ってか着物?どっかのお嬢様?



「あの子めっちゃ可愛いやん〜〜」


後ろの志摩くんが可愛い可愛いって揺れてる。



杜山さんは燐のとなりに座った。
仲よさそうにしゃべっている。


あれ、そいうえば雪もしえみさんて・・・


知り合いなのかね??



「では、テストを返します。」


「私、自信あるよ!得意分野だもんっ」
「おぉ、まじか!」

燐とテストについてべらべらしゃべってる間に何人か呼ばれて次々とテストを見ている。


しえみちゃんはきっと塾入る前にテストうけたのかな?
雪にでも教えてもらったのだろう。
この前燐と出かけてたし。


「杜山さん」
「は、はいっっ!」
「オリジナルの名前をつけるのはいいですが、テストでは正確に書きましょうね?」


苦笑する雪と、ガッカリする杜山さんを見て、
少なからず笑みがこぼれる。


「くはは!得意分野なのにな!?」
「うぅー・・・」

「奥村くん」
「はいっ!」
「・・・胃が痛いよ」
「・・・はい・・・」


肩をすくめる燐はなんだかほんとうに兄なのか疑わしくなる。


「勝呂くん」
「はい!」
「よく、頑張りましたね」
「ありがとうございます」


なんだ、勝呂くん・・・
見た目以上に賢い!!!??


「秋山さん」
「はーい」
「端にらくがきはやめましょうね?」
「えへ、うまいでしょ?」
「そういう問題じゃありません。」



ずれたメガネをなおした雪に笑ってごまかした。


「2点なんかようとられへんわ!女とチャラチャラしとるからやろ」
「ばばばば、バカな!お前みたいな見た目の奴がきゅ、98点なんかとれるわけ・・・!」
「はぁ?」
「桃はらくがきするってことは・・・俺と仲間か!?」
「桃は兄さんと違って優秀だよ。」
『一応、満点だけどねっ♪』



勝呂くんがやったみたいにピラっとテストをみせてみる。

あ、あれ、みんな驚いてますか・・・

そうですか、そんなバカにみえますか・・・


「俺はな祓魔師の資格得る為に本気で 塾に勉強しにきたんや!!
塾におんのはみんな真面目に祓魔師目指してはる人だけや。
お前みたいな意識低い奴目障りやから早よ出ていけ!」




真面目に受けてる人からみたら燐の授業態度などは頭にくるのだろう。


燐と勝呂くんの口喧嘩がはじまりだした。

周りの子もおろおろしてる・・・


「うん、正論だ。どんどんいってやってくださいねー?」


燐を止めながら笑顔で言う雪は、
きっとさっきのテストがあまりにもひどかったのが響いてるのだろうな・・・

ご愁傷様です。



「お前!どっちの味方なんだ!」
「どっちでしょうねー・・・」


こ、怖すぎる・・・


あんな可愛かったのに・・・(笑)




「お、チャイムがなりましたね。では授業を終わります。」


教師も大変なんだなあ・・・



『おつかれ、雪ー』
「こう言ってくれる人がいるだけでも救われるよ・・・」
『まあ、高校生だもんね、雪も。』


二人で苦笑しながらも、外で燐と杜山さんが噴水のとこで座ってるのを見て
あたしたちも一緒に座った。




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ