『今日から学校か・・・』
そう呟いてみたけど、
今日までがすごい長いように感じる。
--------------------------------------
私はこの学園に来る遠い遠い昔の話。
目の前には何がなんだかわからない状態。
人間の形をした、悪魔のような化け物が私の前に立ちはだかる。
人間、といっても、他人ではない。
目の前に立っているのは、
どうみても自分の父にしか見えない。
「オマエサエイナケレバ...」
確かに父はそう言った。
母はもっと小さい頃に病気で亡くしたとか。
ここまでずっと男手ひとつで私を育ててきたもんだから、
今になると我慢の限界だったのか、とも思う。
私はただ、ごめんなさいとしか言えなかった。
父のあまりの変豹に、体が思うように動かない。
「オマエナンカ...」
『ご、ごめんなさっ・・・』
一発、力強く殴られた。
優しかった、お父さんに、
殴られた。
あまりにも力強くて、あまりにも自分がまだ小さかったから、
たくさんの距離を飛ばされた。
もう、死ぬんだ・・・
そう考えたのが、覚えてるまでだ。
目を覚ましたのは全く知らないところ。
『どこ・・・?』
「おぉ!目ぇ覚ましたか!」
目の前には、陽気な顔したメガネのおじさん。
『あ、お父さんは・・・』
「その話しはとりあえず後だ!俺はここ、南十字男子修道院の、藤本獅郎だ、よろしくな!」
『あ、秋山桃です』
差し伸べられた手に、少々戸惑いながらも返した。
「桃ちゃん、大事な話しするから、よく聞いてくれるか?」
お父さんのことだと思った。
声が出そうになかったから首を縦に振った。
「桃ちゃんのお父さんな、悪魔にとりつかれてあぁなったんだ。
だから、お父さんに言われたことは全部本当の気持ちでいっているんじゃないから」
『あの、お父さんは今どこにいるんですか・・・』
「ごめんな・・・お父さんを、助けられなかった」
『死んだんですか・・・?じゃあこれから私はどうやって生きていけばいいんですかっ!』
こんなに幼いのに、と周りに居た何人かの人たちに言われた。
「これから、桃ちゃんが住むお家はここだっ!」
『え・・・?』
「これから、桃ちゃんのお父さんは、俺だ
男ばっかだけど、みんないい奴だからさ」
そういった獅郎さんの目には、強さが映っていた。
「桃ちゃんと同じくらいの年の、俺の息子がいるんだ。燐、雪男!」
「何なに!?」
目の前に、いかにも元気そうな子と、眼鏡をかけておどおどしてる子が二人。
「俺の息子だ!因みに双子なんだけどよ、似てねえだろ?
二人とも、新しい家族だ!」
「俺、奥村燐!よろしくな」
「僕は奥村雪男です、よろしく」
『私、秋山桃。よろしくね、燐くん、雪男くん』
「俺は燐でいいぜ!」
『うん、わかった』
こうして、新しく家族の一員になってから、すごく良くしてもらって、
燐や雪とも仲よくなった。
毎日が、楽しくて仕方がなかった。
いつも突然に出来事はやってくる(嬉しくも、悲しくも、)
(なんの前触れもなく。).