青エク

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「じゃあ授業はここまで。」
「「「「ありがとうございました〜」」」」


ちょっとしたトラブルもあり、
授業はさほど進んでいないけど復習はしとこう・・・


「ほな桃ちゃんまたね〜♪」
『うん!ばいばい』
「桃さんさよなら〜」
『またね!勝呂くんも、また明日っ!』
「おん、」


今日で少しは三人と仲良くなれた。
(勝呂くんは気がするだけ)


「秋山さんでしょ?」
『あ、えっと、神木さん』


ツインテールのちょっと気が強そうな女の子、
神木出雲が目の前にたっていた。


何を言われるだろうかちょっとドキドキしていたら

「その・・・朴を助けてくれてありがと・・・」


朴さんは後ろでニコニコしていた。


『あ、ううん。全然へーきだよっ!』


ツインテールを揺らしながらバッとあたしの手をとった


「・・・っ、あたしの友だちにしてやってもいいわよ」
「出雲ちゃん!」


嬉しそうな朴さんの顔がチラリとみえた。


あぁ、そうか。
神木さんはツンデレっていうやつなのかな。


『うんっ!よろしく!』



だけど、友だちは大切にしそうな人だ
さっきの朴さんの件で理解した。


「じゃあね!・・・桃。」
「また明日ね、桃ちゃんっ!」
『うん、ばいばい、出雲ちゃん、朔子ちゃん!』


嬉しいな、女の子の友だち
こんなにもはやくなじむとは思わなかった・・・


「・・・久しぶりですね、桃。」
「な、雪男知り合いか!?」
『久しぶりだね。やっぱ、覚えてないよね、燐・・・』
「・・・!桃、か・・・?あの桃なのか!」
『!久しぶり、燐っ』



覚えててくれた・・・

雪男はあれから何回か出会ったことはあるけどしゃべらなかった。
雪男は正十字に任務としてきていたからだ。
私語は許されない。 


「お前っ!なんで約束したのに来てくれなかったんだよ!!」
『、ごめん、ね・・・』
「兄さん。桃だって事情があるんです。」


あぁ、そうか・・・と俯いた燐の背中はあまり変わっていない。


「桃は昔っから人と接するのは得意ですね」
『あぁ、今日はいっぱい友だちできたよっ!』
「ずいぶんと仲良くしてましたね」
(なんだコイツ、嫉妬か?)
『出雲ちゃんと、朔子ちゃんと、志摩くんと子猫くんと勝呂くんっ!』


あとは、手にパペットをつけた宝くんという人と
黒で覆われてる山田くんだけは話していない。


「妬けますねー・・・」
『んぇ?』
「雪男っ!!」
「もう僕たちだって子どもじゃありません。」


“ヌル・アインス・ツヴァイ”


「メフィスト!(忘れてた・・・)」
『理事長!』
「私の愛娘を簡単にあげませんヨー☆」
「ま、愛娘!!?」
「桃が引き取られた先がフェレス卿のところなんだよ」
「雪男、知ってたのか!?」
「当たり前です。」


呆れたようにメガネを中指であげた。


「に、似てねぇ!!」
『ぷふっ』
「誰もフェレス卿の本当の娘だなんて言ってない!」


恥ずかしそうに頭をかく燐が可愛くみえた


「桃、今日から寮に入ってネ☆」
『へっ!?』
「ここの学校は全寮制です。因みに、お部屋は奥村兄弟のお隣」
「あんなおんぼろなところに愛娘を住ますのか!?」
「嘗めないでください。もちろん桃のとこはちゃんと改良しています。」
「そろそろ行こうか。桃も一緒にね」
「桃、困ったらいつでも理事長室にくるんだよー??
外見はボロだけどちゃんとしてるからね!?
荷物もちゃんとしといたからね!?」


『大丈夫ですよ?私、祓魔師になるんですから』

必死にあわあわと心配するメフィストさんに安心させるように微笑んだ。


(((可愛い・・・///)))
「では、奥村先生宜しくお願いしますネ☆おやすみ、桃。」
『はい、おやすみなさい、メフィストさん』


安心したように鍵を使って戻って行った。


「さて、帰りましょうか」


たしかにおんぼろな外見な寮の門をくぐり、
なぜか私の部屋だけはメフィストさんの部屋のように豪華できれいだった。

そんな部屋をビックリしてみる二人に苦笑しつつも
部屋まで送ってもらって礼を告げた。


「桃!暇んなったらいつでも遊びにこいよ!」
『ありがとう!じゃあ、おやすみなさい』
「おぅ!おやすみ!」
「おやすみなさい、桃」


順番に頭を撫でてもらってメフィストさんが用意してくれたベッドにごろん、と転がって
その日はぐっすりと寝た。


昔の夢をみて、少し心が温かくなった。



家族との再開
(確かに二人は)
  (あの優しかった家族であった。)

 

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