『っは・・・』
携帯のバイブがブーブとなった。
『学校行く時間か・・・』
学校に入ったからといって修行がなくなるわけでもなし、
なくすわけにもいかない。
祓魔師に一秒でもはやくなりたいから。
祓魔師になってお父さんを襲った悪魔を殺すのが私の目標になったのだ。
修行終わりでシャワーを浴びて、制服に着替えて、
ご飯を食べて、学校へ向かった。
この学校は広すぎる。
校舎の中にはいってもまだ教室がどこなのかわからない。
「お前、ここでなにしてんねや」
『勝呂くん!』
「なんや、また教室わからんとかいうなや?」
『ぅ・・・』
勝呂くん、強し。
いいじゃないか、教室の位置わからないなんて!
方向音痴じゃないはずなんだけどな・・・
そうだ!
学校が広すぎるのが悪い!
「おい、何一人でころころ表情かえてんねん!行くぞ」
『わっ!』
手を引かれて、(正確には引きずられて)教室へ向かった
「桃!」
B組に差し掛かったあたりで名前をよばれた。
『雪!、奥村せんせ?な、なんて呼べばいいの・・・?』
「昔どおりで大丈夫ですよ。勝呂くんもおはようございます」
「おはようさん。」
「ずいぶん短い間で仲良くなったんですねぇ?」
雪の黒い笑みの視線の先は、
「おっ!!?」
『あ、ごめん!』
引っ張られてた手が握られたままだった。
「なるほど、ライバルはたくさんいるということですかね?」
「ななな、何いうとんねん!」
『何なに?なんのこと?』
「なんでも。お、呼ばれてるみたいなんで。また後で」
『うんっ!バイバイー』
雪はクラスの女の子集団に呼ばれた。
・・・モッテモテだな、ちくしょう
また、勝呂くんの隣に並んで教室にはいって、
いつもどおりの時間を過ごした。
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