帝光高校、バスケ部。

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いつも通り、練習が終わってからは
レギュラー以外は颯爽と帰るものだ。
帝光であっても

「桃ちんー」
『んぉ?』
「ほい、あーん」

業務用みたいな大きな袋に入ったお菓子をボリボリ食べながら
あっちゃんはあたしにそれを差し出してきた

『あーん』

から言われたとおりに口を開ける

『お、おいしい・・・』
「でしょ〜、俺のお気に入り〜っ」

無邪気な笑顔であっちゃんは笑った。
試合の時とは似つかないような、ね

「敦ー俺もくれー」

と、大ちゃん。

「んー、峰ちんは三回回ってニャンってゆったらあげるー」
「なっ!?いやだ!!」
「ちぇーっ」
「それこそ桃にやらすべきだろ」
『あ、人に指さしたらダメなんだよー』
「小学生かよ」

背の高い二人と会話してたらしんどくなってきたから
いっそのこと床にごろん、と転がってみた

「みんなでゲームでもしようよ〜」
「いいですね、僕もやりたいです」
「俺もやるっス!」
「んじゃ俺も〜」
「ミドチンは〜?」
「俺は別にいいのだよ」
『え〜、なんでなんで!真くんもやろうよ〜』
「まあ、桃がどうしてもというならやらんこともないのだよ」
『じゃあどうしても〜っ!』

って、思いっきりジャンプして真くんの背中に乗ってみた。
みんな、ほんと背高い・・・
なんか、悲しくなってくるから・・・

「じゃあまずこれ〜」

あっちゃんがお菓子袋をごそごそして取り出したものには
すっぱいぶとうとかかれていた。

「3つに1つ、ハズレですっぱいの入ってるからね」
『おっ!楽しそう』
「じゃあすっぱいのとった奴罰ゲームってことで」

大ちゃんがそういうとみんな盛り上がりつつあった
で、その勝負に選ばれたのが
りょーたと大ちゃんと、あたし。

「んじゃ俺こーれー」
「どっちがいいっスか?桃」
『んー、りょーた先選んでっ!』

残り物には福があるってことで。
信じてみますか、残り物。

「「『せ〜のっ』」」
「ん、甘いっス」
「俺もだ」
『Σ』

すっ、すぱいぞ!!!
こんなの子どもに食わしてるのかっ・・・!

『す、すっぴゃい〜(泣)』
「罰ゲーム、だなっ?」

赤司様のお顔が妙に光って怖い・・・

「何するー?」
「定番の、お着替えだな?」
『ふぇっ・・・?』
「とりあえず、これ着てってよ」
『うん?』

大きめの紙袋を渡されてから部室にいって着替えてみたものの

『な、なんでにゃんことメイド!!?』

静かに体育館のドアを開けて覗いてみたら全員笑顔で待っているのだ
てっちゃんでさえあんな笑顔だ


『あ、あのぉっ・・・着替えてもいいです、か?』
「ドアから離れるのだよ。」
『ひょ!?』

ドアに抱きついてたら征くんが手を引っ張って、
ビックリしてこけてしまった

『うぅ〜っ・・・』

泣きそう、どうしよう
号泣もんだ、こりゃ

「「「「「「!!?」」」」」」

みんなも着せときながら変な目で見るし・・・

『あの、そんなにおかしいですか・・・』
「予想外なのだよ・・・」
「まさか・・・」
「「「「「「こんなにピッタリだなんてっ!」」」」」」

6人並んで親指立ててる光景が今一番ムカつくよ

『やだぁ、もう着替えるーっ』
「なんでっスか!似合ってるのに!」
「ま、とりあえず・・・立てますか?」

てっちゃんが差し伸べた手をぎゅう、と握って立った

のが間違いだった

「み、見えそうで見えない理想のライン!」
『征くん、キャラ違っ・・・ってかスカート短いぃ』
「さすが桃ちん〜」
『お、お嫁にいけないっ・・・』
「大丈夫だよ、心配すんなって。俺が嫁にもらってやるよ」
「いや、俺がもらうのだよ」
「緑間っちには渡さないっスよ!」
「いいや、俺がもらうだろう」
「むー、黄瀬には無理だよ〜」
「なんなら僕が。」
『ど、どうでもいいけどさっ、なんでこんなに人いっぱいいるのぉー』

周りにはギャラリーでうめつくされていた。
男子に限らず、女子もだ
その中には、もちろん噂のあの研究部も←

バンッ!!!

『にゃっ!?』
「・・・ふぅ」
「ったく、この学校はそんなに情報回るのがはやいんだよ」
「タダでみんなに見せるわけにはいきませんね、この姿」
『ど、どうでもいいけどさ、そろそろ着替えても・・・』
「ん?あぁ、違うのがいいか?」
『制服ーーっっ!!!!』
「はい、桃ちん、甘いほうあげるー」
『あ、ありがとぅ・・・』


帝光バスケ部の罰ゲームが最も怖いと思った瞬間である。



結局、甘い。
(もし俺が青峰っちがすっぱいの引いたらどうなるんスか・・・?)
(もちろんあの格好だろ)
((うわっ・・・やべぇ、変な汗でてきた・・・))

 

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