帝光高校、バスケ部。
□9
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
『はぁ〜･･･』
夏です。
祭りです。海です、プールです。
あれ？こんなこと前にもあったような･･･
｢どしたの桃ちん〜｣
お菓子をむしゃむしゃ食べてるあっちゃんが来た。
『あっちゃん〜･･･花火したい』
｢このまえお祭りいったじゃん｣
『だって前のは青峰が帰るっていうからあ！！』
｢だからなんで俺この前から苗字･･･｣
ひとり、ふたりとゾロゾロ集まってきた。
｢たしかに、前は青峰が悪いのだよ｣
『だからね、花火がしたいの。』
｢じゃあ今日部活終わったらやるっスよ！｣
｢いいですね、僕もやりたいです｣
『ほんとっ!!?』
たまにはいいこと言うんですよね、りょーたは。
(たまにはってなんスか･･･)
｢ついでにみんな学校でお泊りとかよくないっスか？｣
『おぉ！』
(((((桃の隣争奪戦が始まるな･･･)))))
｢じゃあ俺許可とってくるよ｣
『征くん！ありがと〜っ♪』
｢大輝と涼太は花火となんか食べ物を買ってこい｣
嫌そうな顔したふたりに厳しく部長命令だ、と言い張ってから
桃の頭をポンポンと優しく叩いてから職員室へ向かった。
｢んだよめんどくせー･･･｣
｢しょうがないっス。ほら、青峰っち行くスよ｣
ｽﾞﾙｽﾞﾙと大ちゃんを引っ張って近くの店を目指して体育館を後にした。
｢じゃあ僕は暑いので扇風機を探してきます｣
｢あぁ、すまんな。｣
てっちゃんも出て行き、何もすることがなくなったのは
桃と緑間と紫原だけ残ってしまった。
『暑い〜･･･』
｢そうだ、体育館周り水まこうよ｣
｢そこに水道とホースがあるのだよ｣
『よしっ！』
一刻もはやく水を撒いて涼しくさせるために小走りで向かった。
｢行くのだよ｣
｢ん、おっけー｣
ｼﾞｭﾊﾞｯと音をたてて水が出始めたと合図がでた
『ぶひゃ！つめたっっ』
｢あらら、桃ちんごめん｣
『うぅー･･･くそぅ、よこせ敦めっっ』
ブシャアッ
｢･･･冷たいのだよ｣
『あり？ご、ごめっっ』
｢貸せ！｣
｢うわっ････つめた･･･｣
｢あ、手もとがくるったのだよ｣
｢こういう時こそ人事を尽くせ！｣
『びしょびしょじゃんー･･･』
ガラッと音をたてて入ってきた人物はこちらをみて血筋を立てているご様子だ。
｢何をしてるんだ？説明してくれないか｣
『せ、征くん、あはは、嫌だな〜』
｢赤ちん、これね、｣
｢『真くん(ミドリン)のせいだから！』｣
ぎょ、っと肩を揺らしたのが目の横からチラッと見えた。
｢真太郎はそういう精神年齢だったのか？｣
｢ち、違うのだよ！元はといえば紫原が桃を濡らしたことからなのだよ｣
｢ふーん･･･｣
すっごい冷ややかな目で見る征くんは誰にも負けないくらい怖いはずだ。
｢とりあえず桃、変態どもが増える前に着替えろ｣
『着替えもってなーい』
｢･･コレ着てろ｣
征くんのTシャツを受け取ったがもっただけでも大きすぎるとわかる。
ま、いいや。着替えちゃえ！
｢どこで着替えてるの。こっちで着替えろ｣
『あぅ、』
征くんに体育館の倉庫に入れられた
･･･めんどくさかっただけなのに。
『征くん、着替えたー･･･あけてー』
｢さすがにデカすぎたか？｣
『ん、大丈夫！あったかいから』
Ｔシャツなのに袖は長袖みたいになって
スカートが出るか出ないかくらいの長さだった。
｢あ、赤司･･･？俺らは｢そこで立ってろ｣
｢赤ちん、寒い･･･｣
｢しらん｣
だるそうに帰ってきた大ちゃんと、それを引っ張るりょーたも帰ってきた。
同時にてっちゃんも二台の扇風機を重たそうにとってきた。
『おかえりっ！』
｢なんで彼氏のシャツきましたみたいな格好してんの？｣
｢なんか萌えますね｣
｢黒子っち!!?｣
｢因みに、向こうは触れたほうがいい？｣
大ちゃんはびしょぬれになった緑の頭と紫の頭を指した。
｢峰ちん、助けて〜｣
｢しらん。いまの年頃水遊びをするやつなんか｣
｢いや、水遊びじゃないのだよ！｣
｢だから桃もそれっスか。｣
｢それ、誰のですか？｣
それ、と指したさきはきっとＴシャツのことだろう。
『これね、征くんのっ！』
(((うらめしい･･･)))
『花火っ！花火はやくしよう！』
｢そうだな、もうそろそろ暗くなってきたし。｣
『りょーたっ！これがいいっ！』
｢んー？どれっスか？｣
｢桃、これしようぜ｣
｢いえ、こっちのほうが絶対いいです｣
『うん、順番にしようねーっ♪』
(ある意味怖いな･･･)
部活ばっかりだって、
こういった夏も悪くはないみたいです。
来年も、きっとみんなで集まってこうしているのだろう、
と想像してると、自然と頬が緩んだ。
花火をしましょう。
(因みに、お前等二人は桃の隣の権利は、なしな？)
((なっ･･･!?))