SS.

□real
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Risa side



毎日のように朔とご飯を食べているけれど、このまえみたいな話は初めてした、と思う。

私がしたくなかったというのが1番の理由ではあるんだけど。


朔は可愛くて、ちゃんと彼氏もいて幸せなんだろうそう思っていた。けれどうまくいってないらしい。



初めて朔に出会ったとき、私は自分と同じような人だと思った。背丈とか体型だけでなくて、考え方とかも。

けれど話していくとすごく甘えるのが上手かったり、思ったことをちゃんと口に出す子だとわかってもっと魅力的に見えて、もう恋愛なんてしたくないそう思ってたくせに普通に朔のことに興味が湧いた。



隣の部署だけどフロアは同じ。

朔はにこにこしていて、先輩からもウケがいいし可愛いからかその部門はほかのとこより華やかで。






『じゃあお先に失礼します。』



-お、渡邊さんおつかれ!今日みんなで飲みにいくけど!-


『今日予定がありまして、、また誘ってください。』


自席をたって帰ろうとする。今日は朔がデートだって言ってた。だから私も別に興味のない同期だけの飲み会には行きたくはないけど、上司と飲む気にもなれなくて、朔のことが本当に好きかもしれない。そう思えた。



だけど私は何もできないのだ。まず向こうは女の子には興味がない。それは明白で、何かアクションを起こすことで嫌がられたりキモチ悪がられるのに私は耐えられないと思う。





家について、ポストを開ける。
そこには両親から手紙が入っていて、旅行先からのようだった。理佐もいい人がいたら連絡しなさいと控えめに書かれていて笑ってしまう。




このまま人生終わるのかな、

それはちょっと辛い。

普通に男の人と付き合って幸せになれればよかったのに。


私はそういうことができないみたいだ。






〜♪

部屋でぼーっとしてると普段ならない電話が鳴った。



『はいもしもし』

-あ、理佐?-

電話相手は、朔で。
彼氏は?なんてのが頭をよぎる。


『ん。どうしたの?』

-今どこいる?-

『え、家だけど。』

-はー良かった。理佐の席行ったら予定があるから帰ったって言われたから。-


朔ははしゃいだ声をだす。

『うん。疲れたから早めに帰ってきただけ。』

-そうなんだ。じゃあさ、理佐んちで今日飲もうよ-


朔は唐突にこんなことを言う。

『え、でも。』

-あー、彼氏はいいの。なんか気持ちが萎えちゃったし、今日そんな気分じゃないから-

ホテル取られてやるためだけに行くみたいで嫌だと言っていたなあ。とぼんやり思い出す。



『わかった。じゃあ待ってるから。来れる?』

-当たり前じゃん。おぼえてますよーだ。-




そんなおどけた朔に私も頬が緩む。

だから、急いで家を綺麗にして、朔を待った。




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