SS.
□わがまま
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your side
写真を手に入れて、待ち受けにはしないでね!恥ずかしいから!といわれつつ私はその場でロック画面に設定した。
そして明日は理佐が収録で遠出するからと、家に帰るという。
『理佐本当に帰る?』
『うん。荷物ないから帰んないと。』
ごめんというような顔をする。
でも理佐と会えないのは嫌だ。
『やだ。』
『もー朔?』
『んーーー。』
『うち、くる?今日は。』
理佐のことになると撮影の時みたいな余裕は私にはない。
そして、理佐がいないと朝もちゃんと起きれないのかもしれない。
『いく。』
『ふふ。じゃ、ほら、着替えだけ持とう?』
『うん。』
2人きりになるとやっぱり私のわがままに理佐は優しくこたえてくれる。
だからこの流れでいけると思ったんだ。
『理佐』
『なに。急に。』
『一緒に住もうよ。』
『………本気?』
『うん。』
『奇遇だね。いま私も言おうとしたから。』
ふふ。私たちは顔を見合わせて小さく笑った。
end