SS.

□好きってなんだ
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Manaka side




『愛佳ってさ、私のこと好きなの?』


『は?なにそれ』


『いやーなんとなく。』


なんだよもう。
休憩中私の膝にのしかかってくるその重さに私は避けずに膝枕をした。
すると下から聞こえたその声。


朔は髪を耳にかけて寝る準備をする。


こんなに近いのに朔と私の心の距離は遠い。多分1番メンバーでは仲が良いけど、それ以上も以下にも踏み出せはしない。



なんでこんな真顔で聞けるんだよと綺麗な顔を見ておもう。



ショートカットで背の高い朔は、私のタイプで、その顔も胸も太ももも全部好きだった。誰にも弱みを見せないとこも、綺麗なお姉さんを演じるところも私は好き。



『収録まで寝かせてよ』


『はいよ』



そんな朔がこうやって甘えてくれるのは私だけだし。








『朔起きて。はやく。』



『………』



『ちゅーするよ?』



『……ふふ。いいよ。』


ちゅ。

起き上がる瞬間触れられた。


『おーい。愛佳。』


『………何してんの』


『っえ、泣くの?』


『………』


『ごめん。泣くとは思わなくて本当にごめんね?』



朔はごめんと真面目に誤ってきて余計に虚しくなる。完全に遊ばれている。そう思った。




『愛佳、目腫れちゃうから触らないで。』


『………なんなの。』


『愛佳がちゅーするっていうから、していいのかと思ったの。でもごめん。』



収録まで時間がない。鏡を見ると、私の涙袋はパンパンで。


朔にただ気持ちを言えばいいけど言えない自分にも腹がたつ。


『愛佳ー。私さ、好きなんだよ。愛佳のこと。』


朔は申し訳なさそうに言う。
でも、いまぽろっと言ったよね?好きって。


『………すき?』


『うん。好きだよ。愛佳も同じ気持ちと思ってたんだけどちがう?』



私が言い淀んでは悲しくなってを繰り返していた2文字をいとも簡単に言う。
朔には敵わない


『……。』


『えってえ、、泣かないで!』



私の目からはどんどん涙が出てきて、目の前の人を困らせる。


周りにはメンバーが集まってきて、朔が愛佳を泣かせたーなんて言われて私は照れるとかそんなことの前に不機嫌な表情をするほかなくなった。





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