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□オフと旅行
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Risa side



さっきからやけにテンションが高い朔に為す術がなくて、私は温泉に浸かりながらそれを見てる。

朔ってこんなにお風呂すきだったの?という疑問だけが浮かぶ。



『ねえ。温泉すきなの?』

『え、変?』

『いや、テンション。』


朔は笑いながら話し出す。


『温泉とか小学生ぶりだもん。』


『そーなの?』


『だって、中学から東京来てあんまり行った覚えない。』


『そっか。』


『うん。だから来ることができて嬉しいよ?理佐も一緒だし。』



飄々とそんなことを言うから私はなんだか身も心もあったかくなって。
朔を捕まえる。
さっきまでの熱っぽさとは違って、ただ触れたくなった。


『……んー!もうしないからね。』


『なに。』


朔はまた私が手を出すと思ったんだろう。ぷくーっと怒ったふりをしてこっちを見る。


『これ以上すると明日起きれなくなるから。』


『はいはい。知ってるから。』


朔は3大欲求のうち、睡眠欲くらいしかない。そして仕事人間だと思う。最初そういうことをしたときも、理佐だからしたいと思うけど全く今までキス以上のことしたいと思ったことなかったなんて言うし。

次の日が大事な撮影だと、眠たくて死んじゃうからだめだと断られる。


最初の方こそ少しはそのあしらわれ方に凹んだけど、そのマイペースでストイックなところも今では大好きになった。



『なに考えてるの?』


目の前で私を見つめる綺麗な顔に声をかけられる。


『朔の事考えてたの。』


『ふーん。』


『そろそろでる?帰りの電車あるし』


『うん。』



朔は気が済んだのか身体を洗って出る準備をし始めた。


私はその薄い背中を見て、
守りたいって思った。











『理佐はやくいこ?』


『あ、うん。ちょっとまって。』





そうやってたまに私の手を引く朔に私はずっと恋し続けるんだと思う。





end


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