SS.
□2人の時間
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『理佐。つかれたー。』
『うん。今日も一日お疲れさま。』
『ふふ。』
『なに?』
家に帰ると、朔がソファに寝転がってて。私の方を見てる。
なんだっけ なんだっけ
こんなに朔が上機嫌な理由。
誕生日でもないし、記念日、、でもないというか記念日ってないような。
『どうしたの?』
『ん!これ見て。』
朔はそうやって携帯の画面を見せる。そこには、えーと、茜?
『今日会ったの!可愛かった』
と、スタジオの廊下で会ったらしい写真を見せられた。
そして、ちょうど携帯の通知がでてきて守屋茜という文字が見えた。
『茜と連絡先も交換したんだ。』
『うん。会ったの4回目とかだからそろそろいいかなって。』
朔はにこにこしながら携帯を見ていて。長くて白いその手で器用に返信をしている。そうだよね。朔の推しメンって茜だってファンの人も言ってたし、茜のこと好きだもんねと納得してしまう。
朔のことだから、人懐っこく茜に話しかけたんだろうし、茜も朔のことは知ってるから喜んでることもわかる。
『ねえ、理佐明日お昼過ぎから?』
『うん。14時とかからだけど。』
『そーなんだ。』
朔はまた携帯に目線を戻す。
『明日何かあるの?』
『ん。あかねんとブランチに行こうかと思って誘ったの。』
『朔も昼からなの?』
『うん』
最近2人とも忙しくて、オフがない。だからそういう時だけでも2人の時間を作ってもらえるものだと思っていたから。
途端に悲しくなってしまって
『…………』
明日仕事でお昼から茜にどんな顔をすればいいのかもわからないし。
『りさ?』
『ん?』
『どうしたの。』
朔はいつもの調子で、私に声をかける。
『んーん。何にもない。』
私はそういうしかなくて。
寝室に向かった。
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