SS.
□2人の時間
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Risa side
朔が急に嬉しそうな顔に変わって、ヒヒヒってだらしなく笑い始める。
『私たち告白みたいなのってしてないよね。』
『うん。』
心配事解決しようとという朔に思い切って、2人の記念日が欲しいと言って見た。そしたら、あからさまにニヤニヤし始めた。
朔が私に声をかけて、一緒にいてくれるようになって、するとどんどん朔のペースで甘えられて、甘やかして恋人がするように行動を共にして今みたいになってて。
だけど、普通の恋人たちがする記念日のお祝いとかを私もしてみたかった。
『理佐そんなこと考えてたの?』
『なに。悪い?』
朔は綺麗にほほえむ。
『私いっぱい記念日おぼえてるよ?』
朔はそう言いながら、携帯を取り出してアプリのカレンダーを見せてくれる。
そこには、初めて話した日とか、デートした日、同棲開始記念日とかたくさん名付けられていて。
私の不安は一挙になくなって
どこから付き合ったことにする?なんて言う朔を愛しく思った。
『私は一目惚れだったから、理佐と初めて喋った日を記念日にしたいんだけど。』
って朔は私をみながらまただらしない顔をしていて。モデルとは思えないその顔にもう一度口付けた。
『もー理佐、話聞いてる?』
『ん、聞いてる』
朔は顔をしかめて記念日はどれがいいかなあとか言ってて、もうそんなのどうでもいい
いつまでも一緒にいれればいい
そう思って、
『今日も明日も全部記念日にしよ?』
というと、
『理佐が言ったんじゃん。』
って怒られた。
だけど。私はちゃんと、朔のカレンダーに書かれてた"好きって言ってみた日"なんて書かれてる日付を見て、ちょっと頬が緩んでしまって。
『朔寝よ』
『え?もう寝る?』
『うん。おやすみ。』
『もー理佐ってば。』
そうして朔を閉じ込めて私はまぶたを落とした。
end