SS.

□2人の時間
3ページ/3ページ

Risa side






朔が急に嬉しそうな顔に変わって、ヒヒヒってだらしなく笑い始める。



『私たち告白みたいなのってしてないよね。』


『うん。』






心配事解決しようとという朔に思い切って、2人の記念日が欲しいと言って見た。そしたら、あからさまにニヤニヤし始めた。




朔が私に声をかけて、一緒にいてくれるようになって、するとどんどん朔のペースで甘えられて、甘やかして恋人がするように行動を共にして今みたいになってて。




だけど、普通の恋人たちがする記念日のお祝いとかを私もしてみたかった。


『理佐そんなこと考えてたの?』

『なに。悪い?』


朔は綺麗にほほえむ。


『私いっぱい記念日おぼえてるよ?』


朔はそう言いながら、携帯を取り出してアプリのカレンダーを見せてくれる。


そこには、初めて話した日とか、デートした日、同棲開始記念日とかたくさん名付けられていて。


私の不安は一挙になくなって
どこから付き合ったことにする?なんて言う朔を愛しく思った。



『私は一目惚れだったから、理佐と初めて喋った日を記念日にしたいんだけど。』


って朔は私をみながらまただらしない顔をしていて。モデルとは思えないその顔にもう一度口付けた。



『もー理佐、話聞いてる?』

『ん、聞いてる』


朔は顔をしかめて記念日はどれがいいかなあとか言ってて、もうそんなのどうでもいい

いつまでも一緒にいれればいい


そう思って、


『今日も明日も全部記念日にしよ?』

というと、


『理佐が言ったんじゃん。』


って怒られた。


だけど。私はちゃんと、朔のカレンダーに書かれてた"好きって言ってみた日"なんて書かれてる日付を見て、ちょっと頬が緩んでしまって。





『朔寝よ』


『え?もう寝る?』


『うん。おやすみ。』


『もー理佐ってば。』


そうして朔を閉じ込めて私はまぶたを落とした。



end


次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ