SS.
□倦怠期2
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Risa side
『朔大丈夫?心配した。』
『ごめん。電車間違っちゃって。』
『え?マネージャーさんは?』
『電車くらい1人で乗れるもん。』
今日は珍しくご飯を食べに行こうと言われて、朔の指定した店に来た。けれど、当の本人はいなくて15分ほど遅れてやってきた。
泊まり込みの撮影があると1日明けていたんだから、もう少し私との再会に喜んで欲しいというのは黙って
『理佐ご飯適当に選んで。』
『ああうん。』
そう言って私にメニューを丸投げする朔に私はしょうがないなと甘くなる。
『で、どうだったの?撮影。』
『無事終わったよ。最近ろくに食べれなかったから、やっと今日おにぎり食べた。』
2週間朔は食事制限とハードな筋トレをしていて、今までで1番ストイックに仕事に向き合ってた。
そして、相変わらず私は朔に触れようと試みても、眉を下げてごめんと言われる日々が続いていて、そろそろ限界が来ていて、メンバーには理佐が不機嫌だと叱られた。
『お腹に優しいものにしようね』
『えー。チゲとかカレーとか食べたい。』
『あのね。ここ和食屋さんじゃん。』
『はーい』
朔が選んだ店なのにそんなことを言うものだから私はしかめ面をしてみせる。
すると目の前で朔はふふって笑いながら私を見てて。
一昨日までの表情と違って柔らかくなったし、本当に仕事へのプレッシャーが大きかったんだろうと理解した。
『ん!これ美味しい。』
『んー?』
『はい!』
そういうと、朔は私に向かっておかずをつかんであーんという副音声付でこっちにお箸を差し出す。
私はその急な行動に固まってしまって、目の前の朔は
『ほら、理佐食べて見てよ』
と、私を見た。
『え、うん』
私は促されて口を開けると途端に朔はまたにこにこし始めて、私はドキドキした。
なんか違う?
というか、
可愛い。
私はご飯の味とかわからないくらいには、朔の顔に見とれてしまって、
『美味しいでしょ?』
という朔にそうだねという同意を送るのに精一杯だった。
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