SS.

□消えちゃう
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『ただいまー』





『あ、やばい!そっちいった!!』


-え、なんなん!まって。-


『やっば!つよ!さすが』



家に着くと、
ソファでゲームをしながらスピーカーモードで電話をしている朔がいた。


『朔!ただいま!』


『うわ!理佐、びっくりしたー。』



-お!理佐ちゃん帰ってきたん?おかえり-


その電話の相手からもおかえりと出迎えられて、え?という顔をすると、朔が、口パクで『にしのさん!』という。



『あ、お疲れ様です!西野さん』


-お疲れ様、理佐ちゃん。てか、ほんまに住んでるんやね-

『だから言ったじゃん。内緒だからね』


-朔声でかい。わかってるよ。あ!ほらいまやで。-


『うわ、やっば!』



・・・なんなの?

西野さんからお疲れ様と言われ、2人はまたゲームの話をし始める。
西野さんがゲームが好きだとは知っていたけど、忘れてた、ここにもゲーム好きが居たんだ。
けれど、西野さんに私と朔が住んでいることがバレてしまってることの方が重要で。



なんとなく誰にも内緒なものだと思っていたのに、朔はなんなく西野さんに話しているし、わけわからない。



そう思って私がいることそっちのけの白熱する2人をよそに私は先にお風呂に向かった。





-





たっぷり半身浴をして、髪を乾かして、リビングに行くと、帰ってきた時と同様の光景がまだそこにはあって、いったい何時間やってるのかななんて思う。


西野さんと話す朔はいつしか七瀬呼びになってるし、タメ口だし、なんだろう、、もやもやした。


西野さんと知り合って長いけれど先輩だからと距離が詰められないでいて、それをすぐさま朔は超えて行くし、

朔がすぐに西野さんに懐いたのもちょっといやで。




『朔先にベッド行くね。』


『あーうん。おやすみ』


-理佐ちゃん、おやすみ。-


『あ、西野さんもおやすみなさい。』


朔に言った言葉はもちろん西野さんにも拾われて、私はまたドギマギしてしまう。


はあ。しょうがない。
ゲーム好きの同世代の芸能人とであったらそりゃ盛り上がるんだろう。


私はひとつため息をこぼしてそこを後にした。




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