SS.

□大好き
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Risa side




『朔ーー!!!』


『っはっはっは、、ちょっとまって、、だっめ、、っはぁ、、ねえ』


『もう!いっつもさー。』


『待って、、っはっは、、息できなくな、る、、はっはっは、、はぁ、、、』



バシッ!!



『いった、、』


『え?理佐?大丈夫?』







家で洗い物をしてたら、後ろからちょんちょんとちょっかいを出されて。
振り向いてキスをしたら息を吹き込まれた。


もう。


そう思っていつもみたいに走ってへらへらして逃げてく朔を追っかけてソファで脇とお腹をくすぐる。





笑って息ができないとバタバタする朔をニヤニヤ見下ろしてたら突如目に刺激がきて痛みが走った。



『理佐?ごめん。大丈夫?』


気付かなかったけれど、暴れる朔の肘が私の右目にヒットしたみたいで。


『ん。痛い。』

『待って。氷持ってくる。』


朔はヤバイという顔をして冷蔵庫に走った。


『本当ごめん。ちょっと擦れて目の下にすり傷があるのと、、、痛いよね?』

『んーん。大丈夫。』


ソファに横になって、朔も私の横に向かい合わせになって顔を凝視される。じんじんするから腫れてる気はするけれど。


『本当ごめんなさい。明日、撮影?』

『明日は握手会だから。多分大丈夫』


目の前の朔は、すごく申し訳なさそうに私の頭を撫でておでこにキスをするから、これ以上は責められないし。
私も一緒になって遊んだわけだから、朔のせいじゃない。



『今日もうお水飲むのも、家事するのも禁止ね。あとちゃんと冷やそう。』


『じゃあ今日は私が寝るまで抱きしめてね。』

『うん。理佐が寝るまで起きとく』



朔は、こういう時すごく頼りになる。中学生の頃よく泣いたり転んだりしては、撮影を延期にしたりしたから、対処法を怒るマネージャーさんに詰め込まれたらしい。









『理佐。おいで。』

『ふふ、なにその余裕な顔。』

『えー?これでも心配なんだけど。』



寝る準備をして、朔に促されるまま、朔の腕の中に入ってぴとってくっつく。もちろん氷を押し当てられながら。


いつもと違う目の前の風景と、脚まで朔に絡まれる圧迫感に少しニヤける。


『朔珍しいね』

『ん?』

『こんなにくっついてくるの』

『………私の治癒力もうつればいいかとおもって。』

『っぷ。なにそれ。』

『もう。笑わないで。』


いつもは抱きしめる方だし、
たまに逆転しても、朔がスペースがないと寝れないのは知っていたから、私から離れてた。


だから真面目な顔して治癒力をうつすなんていう朔はやっぱり可笑しくて私はキスをねだってしまう。



『っん、、理佐』


『口移しの方が効き目あるかもしれないし』


『変態。』



ちゅ



朔は、こんな近いと我慢できないねって呟いて、私の氷を邪魔だと言わんばかりに奪い取って、何度も何度もキスをしてくれる



そしてたまに私の右目を見て

クゥーンと悲しむ犬みたいに

眉をハの字に下げて、ごめんと呟いた。





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