CP.

□青空が違う
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Risa side



好きだよ。

大好きだったよ。

朝起きて、涙が出た。



『もしもし、理佐?どうしたの? コホンッ』


『おはよ、愛佳。元気?もうそっちはあったかい?』


『うん。もう春が来てる気がする。』


『なんか声変だね?』


『そんなことないよ。
てかもう少しで曲完成するから待っててね』


愛佳は嬉しそうに喋る。

その声はやっぱり鼻声で。



愛佳がここから出て行ったのは高校卒業する時で。動画サイトにあげたライブ映像を見た事務所から声がかかったと。喜んでいる愛佳が可愛かった。


けど、東京に行くと告げられた時、遠くに暮らさなきゃいけないほど夢が大事なの?とは言えなくて。



私は私で地元の大学に進学をして、急な別れに最初は毎晩寂しさに負けそうになった。




『生活はどう?』


『んー、バイトとバンド活動がやっと回り始めたって感じ。家とか超汚いよ。』


愛佳は咳をしながら近状を話してくれる。


『理佐は?どう?』


『、、、愛佳がいなくて寂しい。』


『..、ごめん。理佐にそんなこと言わせちゃうなんて本当私最低かも』


愛佳はごめんっていうって分かってた。

でもそんなんじゃない。


『ううん。ごめん。また連絡する。』


『理佐?好きだからね。ずっと。』


『うん。じゃあまたね』


『うん、ばいばい』



困らせたくはない。
だけど、一緒にいたい。


愛佳は何を考えているんだろう。




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