CP.

□キミガイナイ
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Risa side




『ただいま〜。』



『理佐おかえり』



ホッとした。
今日は愛佳が元気そうだ。



『会いたかったよ。』



『うん。愛佳も。』



ライブと撮影で2日家を空けた。愛佳は相変わらず私の家にこもってたみたいだった。着替えるために寝室に寄るとベッドの上にくしゃっとなった私の部屋着が置いてあって、寂しかったのかな?と思った。



というのも正月休みから、途端に愛佳は欅坂の活動を休むようになった。 マネージャーさん伝いに聞いた話では、精神が安定しないということだけで、誰も愛佳の居場所を知らなかった。


だけれど、さすがに付き合ってるんだからと、家でひっそり引きこもる愛佳をうちに呼んだのだった。



『うーーーつかれた。愛佳癒して。』



『えー、りっちゃんどうしたの。なんかあった?』


愛佳は私の膝に向かい合わせに座る。


なんかあったって聞きたいのは私の方だ。けど、いまはそっとしておこう。私はグッと聞きたいことを堪えた。



『昨日愛佳がいなくてホテルでねれなかった。』


ここ3ヶ月毎日愛佳の隣で寝ていて久しぶりの1人のベッドに寝付けなかったのは事実だ。


『……愛佳がいないとだめ?』


えーなにそれなんて茶化した返答が来るものだとおもっていたのに
私は明るく装った震えた声にドキッとした。


本当に愛佳がいなくなる準備をしているんじゃないかって。



『……ファンの人がとかメンバーが困るとか抜きにして、私が愛佳がいないと生きてけないから。』



『ふふ。なにそれ。いなくならないよ。』



愛佳はうって変わってくしゃっと笑う。
それでもわたしの心は緊張したままだった。



『本当に、本当にいなくならない?』



『ほらー理佐泣かないでよ。いなくならないよ。』


愛佳が背中をさすったと同時に
私はポロポロと涙を流していた。
今までの不安が堰を切ったように涙として流れた。


愛佳が欅坂を辞めるのも、会えなくなるのも、全部全部嫌で。だけど、愛佳がそれでもその決断をするなら私が傷つくのはいいと思ってた。




『ごめん。泣いてごめん。』



『ううん。理佐を不安にさせてたよね。こっちこそごめんね。』



愛佳にこんなこと言わせちゃうのは、申し訳ないと思った。だけど、今しかないと思って。


もし拒絶されたらまた寄り添えばいい。



『…あのね。…何かあっても絶対私が愛佳を守るから。愛佳のタイミングで復活してよ。』


『…理佐。ありがとう。』




愛佳はそれ以上なにも言わなかった。





『ところでりっちゃん。久しぶりにちゅーしていい?』



『え?』



私が泣き止むといつもの愛佳がそこにいて。あ、そういえば最近キスもハグもしてなかったなと思うのと同時に



-っちゅ-




可愛いリップ音に2人で笑った。




『明日絶対目腫れるのやだ。』


『理佐が泣いたんじゃん。』


『愛佳が泣かせるから。』


『……じゃあ理佐の代わりに撮影でてあげてもいいよ。』


『え、、それって。』





-






次の日の朝も


愛佳は、笑顔でおはようと言ってくれる。


だからもう少し。


もう少しだけ頑張ろう。




end


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