CP.

□素直に
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『まってよ。』



『いやだ。』



『まってってば、、。私が悪かったから。』





そうやって愛佳の部屋を出た。



仕事が重ならなくて、2週間会えなかった。ラインで、いつも理佐に会いたいとか、今日も好きだよとか言ってくれる愛佳だけど無理をして会おうとはしてくれなくて。


家が近いから。
帰ってないわけではないんだから。
頑張れば会える。
私はそう思うわけで、愛佳の家に押しかけた。


そしたら、愛佳はいなくて、とりあえず部屋で待ってたんだけど


1時間くらいして夜も遅いし外泊?と疑いたくなる時間。


愛佳は帰ってきた。


私は会いたくて今にも崩れ落ちそうだったのに、私を見た愛佳はひとこと


『なんできたの?』


私の中の何かが崩れ落ちてしまった。


『来たらダメなの?』


『別にそんなこと言ってないじゃん』


愛佳は少しお酒の香りがしていて、誰かと飲んでたのかと余計に私の心は痛い。
私ばかり会いたかったんだ。

1人で毎日仕事をして毎日勝手に会いたくなって、それは全て独りよがりだったんだ。


『もういい。帰る。』



『まってよ。』



『いやだ。』



『まってってば、、。私が悪かったから。』



『なにが。』


後ろから追いかける愛佳にいう。
なにが悪いの?
私に会ってくれないこと?別に悪いことではないじゃないか。



『………ごめん理佐。』


困った顔をする愛佳は私の手を握る。
そしてまた、部屋へと私を引っ張って行く。



そしてドアを閉めた瞬間

愛佳は私を抱きしめる。

少し背の高い愛佳の首に鼻を寄せる。そこからは安心する匂いがして、バカなこと言っちゃったと後悔した。




『………理佐。お疲れ様。』


『……。』


愛佳は鈍感なのかなんなのかわからない。
こういう時だけ私の欲しい言葉をくれるから。


『りーさ。わざわざ会いに来てくれたんだよね?』


『……うん。』


『ありがとう。会いたかったよ。』


『……私だけかと思った。』


愛佳は会いたかったと言ってくれるけど、それでもなんども伝えて欲しくて。


『愛佳も会いたかったんだよ?でも帰ってきたら理佐がいるからびっくりしちゃってさ。』


『……余裕なくてごめん。』


些細な一言にネガティブが相まってしまったって反省する。


『明日は?仕事何時?』


『11じ。』


『ふふ。じゃあ今日は足りない分イチャイチャしよ?』


玄関で抱きしめられるのもそこまでにしてと 、愛佳はまた私の手を引いておくに向かった。



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