CP.
□恋に落ちる
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目があった瞬間、息を止めた。
これが一目惚れなのかもしれない。そう思って。
『愛佳なにぼーっとしてるの?』
『え、綺麗だよね。』
『ね。花嫁姿って綺麗。』
地元で行われた友達の結婚式に参加した。
東京から朝一で向かって、地元の美容室に直行して、いそいそとほぼ同窓会と化した式場に向かう。
私は久しぶりのドレスアップにすこし心が踊ってて友達の友香に落ち着いて?となだめられる。
式は淡々と進んで久しぶりの友達との再会に美味しいご飯に進められるお酒。二次会に向かう頃には、私はその子のことを忘れかけていた。
-それでは、2人の結婚を祝して!かんぱーーーい!!-
カジュアルイタリアンのお店で立食パーティーだった。 新郎の友達から、半ば合コンのような質問を受けたり、私はただ純粋に結婚式と同窓会のような空気を楽しみに来たからそれはただ面倒で。
ワインがまわって来たというころに、私は友香と会場の隅のイスに腰掛けていた。
はぁ。明日だるいなあ。もうすでに頭痛いし。そう思って目の前の光景を見つめる。
すると、対岸の壁沿いのイスには、あの息を飲んだ女の子が男の人と楽しそうに話していた。というか、男の人が楽しそうに話してる。
-友香!どこいってたの!-
『うわ、茜じゃん。』
-愛佳ひど!うちの友香を連れ回さないで?-
私が対岸の彼女を見つめてると目の前には友香の恋人の茜が来て、私を見下ろす。
高校の時から茜と友香は付き合ってたけど、まさかまだ付き合ってるとは、、
友香はごめんね、うるさくてというふうに私を見る。
『連れ回してないけど、友香可愛いから大人気だったよ。』
『それは愛佳が美人だから。』
-んーー2人が可愛いのは認めるけど!-
なーんていう。
ただ友香は、すぐ1人でふらふらする私に気をかけてくれていただけなんだけど。
だから私は、2人きりにしてあげようと
ちょっとトイレに、なんて白々しい嘘をついて、その場を離れた。
-
そしてそのトイレにはたどり着けない。
狭い廊下で目の前にはさっきの女の子と男がいて、男はきっと絵に描いたようにその女の子を口説いている。
私はそれを見て引き返そうとした。やっぱりあの子可愛いよねって思いながら。
『まなか!』
『ん?』
私は酔った頭を回転させてその主を見る。それは口説かれてた女の子で。なぜ私の名前を知っているのかとはてながたくさん。
だけど、助けてほしいという表情に、私は男になにか言い放って、その女の子の手を引っ張って、一緒にトイレに向かった。
『ごめんなさい。ありがとう』
『大丈夫?』
『はい。』
『というか、高校一緒?私の名前……』
目の前の子はあからさまに顔を赤くする。
こんなに可愛い子がいれば、私は絶対おぼえてるはずなんだけど。
『隣のクラスで。すいません勝手に名前呼んで』
と、その子はいう。
あ、やばい。
私はその子に何か伝えようとしたとき、目の前がふらついて、酔いすぎだと自覚した。
一瞬の立ちくらみに、私は目の前の子にすがりついていて、
『ごめ、、酔っちゃってる。』
と顔を上げた
するとその瞬間唇には暖かい感触と、私の服をギュッと握る子がいて。
しっかりと身体が戻って来たときには、
どちらからともなく、
キスは深くなる。
『っん、、、、』
『ごめん。』
肩を叩かれて、顔を離すと、はにかむ子がいて。あ、好きかもしれない。と思った。
『名前。教えて?』
『渡邉理佐。』
『私は志田愛佳』
そういってもう一度口付ける。
そうこれが、一目惚れってやつで、
恋に落ちる。
その意味の全てだった。
end