SS.

□my girl
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your side





理佐を送り出してから携帯を取り出してマネージャーからの連絡を見返した。



あ、今日雨だ。
午後の野外の撮影が延期になったという変更を見る。



それと同時に、私は『欅坂 握手会』とタップして、どうしたら参加できるのかを調べた。


前から、毎月何度も握手会だから、と言って朝早く出かける姿を目にしてたからそんなに握手会好きなの?とかいろいろ思っちゃうわけで。



まあ、いいや。
ひとまず午前の撮影は行かなきゃ。

そう思って私も用意をしてマネージャーの迎えを待った。





-




-はい、お疲れ様でーす!今日はひとまず解散で!-




『ねえねえ!手に入れてきてくれた?』



『えーもう大変だったよ!20枚も。今日の握手会!とか言うから。』


『うわー!ありがとう!今から行こ?ね?』



私は仲良しのマネージャーに欅坂のCDをゲットしてもらって、午後は握手会に付き合ってとだけお願いしてたのだ。



『朔本当に行くの?待つらしいし、欅坂なら、普段理佐ちゃん通して会えるのに。どうして?』




運転してくれるマネージャーは不思議そうに聞く。
まあ確かに。月1程度に撮影のかぶる理佐に頼めば会えると、思うよね。(まあもっとたくさんあってるんだけど)


『だって、握手会私もするかもしれないけど、ほら苦手だから。』



『………朔が成長してる、、。』


マネージャーは泣き真似をして私の顔を見る。確かに前に行ったフォトブックのお渡し会で私はずーーんって凹んでもうやです、なんて泣き顔を晒してたもんね。





そうこうして、握手会の会場につく。
私は帽子だけ被らされて、マネージャーと共にレーンに並んだ。
中はもはやお祭りみたいな熱気で、雨の中大勢の人が並んでる。


そして意外と会場には女の子もいたりして、ファンって色んな層がいるんだと思った。


ということは、私の顔もばれちゃう訳で、マネージャーがいないとやばかったと思うほどに握手を求められた。





-はいつぎのかた-


ガヤガヤと目線が集まる中私は歩を進めた。



『え、、、楼名さん!』


『友香ちゃん!お久しぶりです!』


『こちらこそお久しぶりです。どうしていらっしゃってるんですか?!』


『マネージャーと一緒に握手会の勉強しにきてるんです。』



そう。マネージャーが手に入れたというCDは握手する時間もメンバーも決まってるらしく、満遍なくメンバーと握手ができるらしい。


友香ちゃんは一度だけ会ったことがあって私の両手を掴んで、キラキラと目を輝かせてくれる。


『私服可愛いです。頑張ってくださいね。』


『いえ、ありがとうございます!良かったら後で裏に来てください!みんな喜ぶと思うので。』




その言葉と同時にスタッフの人に剥がされそうになり、友香ちゃんがスタッフをなぜか制止してくれて、じゃあまた、と改めてペコっと頭を下げてくれる。




私が握手を終えると後ろに並ぶマネージャーも握手を終えて満足そうに笑う。

そして、私たちはメンバーと握手をするためだけに列に並び直した。






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