SS.
□本音
2ページ/3ページ
your side
『朔いくよ』
『ん。ちょっとこれ持って』
『はい。』
『ふふ。ありがとう。』
クランクイン前に理佐とのデート。
ちょっと良いところでご飯でも食べる?と聞いたら、理佐は朔ってコース料理とか食べきれないでしょと言われて、普通のデートがしたいと言われた。
だから、映画見て適当にご飯をしようということになったんだけど
『理佐怖がりすぎ。』
『だってまさかあんなグロいのとは思わなくて。』
映画の最中私はポップコーンを手にしようと思ったら目の前のスクリーンに映る暴力シーンや流血に、私のポップコーンを落としてぎゅっと手を握られた。
最後の方は理佐はほとんど私の方に顔を埋めていて、くっつく理佐が新鮮で頬が緩んだ。
『ごめんね。邪魔だったよね』
『んーん。怖がってるとこ可愛いかった。』
『………』
歩きながら理佐は私の腕を掴むから、たまにはこういう映画見せるのもいいかも。なんて思って。理佐の腕を絡ませて私たちは東京の夜の街を歩いた。
-
『ねえ朔大丈夫?』
『、、帰りたい。』
『だね。いこ?』
映画館を出て、ご飯屋さんを探して歩いていると、私のファンという人に声をかけられて、咄嗟に理佐と手を離す。
そして写真撮りたい握手したいと言われて、大事にしたくないから一枚だけとってあげた。
すると、わらわらとその光景を目にした人が私に声をかけてきて、私は理佐に手を引かれて適当なご飯屋さんに入ったんだけど。
そこにはまた同じようにつけてきたファンがいて、私だけでなくて理佐の存在もばれて盗撮された。
私たちはすぐご飯屋さんから出てタクシーを捕まえて2人の家に帰る。
『ごめん朔、せっかくの外でのデートなのに。守れなくて。』
理佐は、私の手を握ってごめんという。
理佐のせいでもないし、守られてばかりな私はたまには理佐を守りたい。
『ううん。早く2人になろう。』
『うん。』
私はそれだけ呟いて理佐の手をギュッと握り返した。
→