SS.
□嫉妬心と。
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your side
目の前でシュンとする理佐に
私は、悲しませたい訳ではなかったと理佐を抱きしめようとした。けれど、私が理佐にしたようにその手は拒否された。
私は自分のもやもやの原因もわかってるから何にも話したくはなくて、
『ごめん。もう寝る。』
それだけ告げて、寝室にむかった。
-
ベッドでゴロゴロしてても、脳裏には今日の一コマが浮かんでくる。
今日の撮影には理佐がいて、欅坂の子に会えることも私は嬉しかった。
けれど、理佐がメンバーとイチャついてるのを目の当たりにしたのは初めてで、私にしてくれることを当たり前にメンバーにもしていて少しむかついた。
明日はオフでこんなに早く寝るつもりもなかったし、全く寝れないし。
しかも、なんで理佐に当たっちゃんだろうといまさら後悔してしまう。
-ガチャ
どれくらい経っただろう。
ドアが開いて、お風呂に入った理佐が部屋に入ってきた。
当たり前に2人の部屋にはベッドは1つしかない。こんな時も2人で寝なきゃいけないということに気づいたのはたった今で。今まで喧嘩とかそういうことをしたことがなかったんだ、、、と思い知らされた。
『…朔おきてる?』
理佐は静かに声をかける。その声はとても優しく響いて、私はなにも言えなくなって、ぎゅっと目を瞑る。
理佐はそれ以上なにも言わなくてベッドの端で寝はじめたみたいだった。
理佐がメンバーにするスキンシップを私が嫌がってることを伝えて理佐が今と違う対応を取ることは私は嫌で。これは私の問題でしかなくて。ただただ、罪悪感が募る。
そして、隣にいる大好きな彼女に触れたくなる。
私はゆっくり寝返りを打って
背を向ける理佐にくっついて後ろから抱きしめる。
『……朔?』
理佐は起きてたみたいで、回した手は理佐の手に包まれた。
『ごめん。当たって。』
『………嫌われちゃったかとおもった』
理佐の声は震えてて手に力が入った。
『嫌うわけないじゃん。』
『私のせい?……不機嫌なの。』
私は理佐をもう一度ぎゅっと抱きしめる。
『違うよ。』
『違わないでしょ。言ってよ。』
理佐は私を振りほどいてこっちに体を向けて、目を合わせる。
こうされると私は嘘はつけなくて。
『ただ、妬いただけだから。』
言いたくない一言を言ってしまう。
理佐はポカンとしていて、ほらやっぱり私ばかりいっぱいいっぱいなんだ。
『……朔?もしかして……メンバーに妬いてたの?』
理佐は考えたように聞いてくる。
私はただただ恥ずかしくて、理佐から目をそらした
『ねえ、教えてよ。』
『いいの。』
『朔』
私はただ理佐にぎゅっと抱きついて、理佐の首に顔を埋めた。
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