SS.

□会いたい気持ち
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your side



映画の撮影が始まって、理佐と会えないけれど、同世代の女優の子たちに囲まれてそれなりに楽しく順調に撮影は進んでた。


だから演者はぽっかり二日間も休みができて、周りの共演者は一緒に観光をしようと誘ってくれていたけれど。


もちろん私はマネージャーにわがままを言って最終の新幹線に乗り込んだ。

















『ただいまー』


家に着いたのはもう日をまたぐ時で、玄関を開けても声はない。
ん?いない?そんなことないよね。確か今日は東京にいるはずなんだけど。



『りーさ?』


『ん、、、』


ベッドにはちっちゃく丸まってる理佐が寝ていて、久しぶりのその姿に私はテンションが上がる。


『りさー!』


だから私はそのベッドにダイブ。


『っえ、、朔、、?』


『ん。帰ってきた。』


私は理佐の顔を覗き込んでぎゅーって抱きしめる。


久しぶりの理佐は、まだぼんやりしているみたいだったけど、私は理佐に会うためだけに帰ってきたんだから。



すると目の前の瞳からどんどん涙が溢れる。


『っえ、、、理佐?、、ごめん。怖かった?』


『…………ちがう』


『え、痛かった?』


『…………ちがうから』


そう言っても目の前の理佐からは涙が止まらなくて、私のほっぺをぺたぺた触ってくる。


『なに。なんかついてる?』


『朔…うるさい…』


質問攻めの私に理佐はうるさいと言いながら、ほっぺたをつねる。


『りしゃ、いひゃいよ』


『……朔が、いる』


理佐は、帰ってくるなら言ってよなんて言いながら私を抱きしめ始めて。その反応にびっくりした。


『ほらー理佐、泣いたら目腫れちゃうよ』

『いいの。』


理佐は私を離してはくれなくて、私もひとまず身体を許して、その頭を撫でる。




『お疲れ様。最近色々大変なんでしょ。大丈夫?』


欅坂は最近色々ニュースを騒がしてることは知ってた。だけど理佐は弱音一つ吐かずにいつも仕事をしていて、1人抱え込んでたのかと思うと少し申し訳なくて。


『……』


『明後日の夜向こうに行かなきゃだけど、2日間オフになったから。』


『…うん。』


『充電させて。』


『うん。私も。』


理佐は、そういって私の顔を見つめる。
なんだか久しぶりで、ドキドキする。


『ちゅーしていい?』


だからなんとなく聞いてみたりして。



理佐はコクンと頷いて私の首に腕をかける。私は理佐の体温を感じながらキスをした。



『ねえ、なんで目開けてるの』


『朔みてたかったから。』


キスしててもなんだか視線を感じて、薄眼を開くと理佐が目を開けていて恥ずかしい。


だから、私はそっと理佐の目を手で覆ってキスをし返す。


そしたらなんかいつもより反応が良くて、可愛い声が聞こえた。


『ふふふ、、理佐、えっちだね』


『もう。うるさい。』


そういって理佐は怒るけど隣でくっついてくるところとか本当に可愛い。


柔らかい唇を堪能するみたいにゆっくりキスをする。

そして理佐のパジャマを握りしめてちょっとだけ気づいてくれたらな、なんて思った。

けど理佐は私の背中を撫でるだけ。ほんと少しだけだけど、今日は理佐に愛されたい気分だったんだけど。



『理佐明日早い?』


『うん。6時には出なきゃ。』


『そっか。』


だよね。と思って、私は手を離す。
断られるのって凹むなぁ。
普段理佐もこんな気持ちなのかな。って思ってまた悲しくなる。





すると理佐は少し口角を上げてこっちをみてて


『朔………する?』


なんていう。
理佐にはなんでもバレるらしい。


『でも明日早いから。』


私は隠すようにそう呟いて理佐の首元に顔を埋める。恥ずかしい。世の中の人はどうやって誘うんだろう。わたしには向いてない。


『ねえ、、私はいつでも朔としたいんだけどいい?』


理佐の匂いを確かめてたら、上から優しそうなひとことがふってきて、目の前の喉が鳴った。



『………ねえ、変態じゃん。』


理佐は余裕そうに笑っていて、変態でいいよなんていう。




『朔が求めてくるなんて可愛いからつい。』


『……もう。』


『好きだよ』


そして、私は理佐に深いキスをされた。



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