SS.

□消えちゃう
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your side




-朔んちって何部屋あんの?-


『んー、3?かな。リビングと寝室と物置みたいな』


-え、一緒に寝てるの?-



あ。


理佐がおやすみと去ってから、そろそろセーブしよっかとなり、電話だけが繋がっていた。そして理佐ちゃんもおるんやったら朔んち今度行くというから。


七瀬さん、、七瀬はポロっとこぼした言葉に突っ込んでくる。


『たまーにね。たまに。』


-えー?怪しいな?理佐ちゃんって家では結構喋るん?-



かなり、喋るけど、きっと七瀬の前では理佐は恐縮して喋ってないんだろう。


『んー静かだよ。基本。』


-へーそうなんや。じゃあななたちがうるさくし過ぎたね。理佐ちゃんにも誤っといてな。-


『ん。わかった。また明日空き時間あったら連絡する。』


-ん!ななもする。-


『じゃ寝るね。おやすみ。』


-はーい。おやすみ-




そういって七瀬は電話を切るから、私も理佐のとこにいこうと、歯を磨いた。








『理佐、寝た?』


『んーんまだ起きてる。』


ベッドに行くと携帯を触る理佐がいて、私はダイブする。


『っう、痛いから。』

そういって理佐は顔をしかめたままずっと携帯を見てて。


『おかえりのキスは?』

『いつもしてないでしょ。それ。』

『あ、ばれた。』

理佐はそういう気分ではないらしく、私は隣に寝転がる。




数分間黙ってボーッとしてた。

けれど一向に理佐は携帯から目を離さなくて。


『ねえ、寝ようよ。』

早く理佐に触れたい一心でそう声をかけて見る。けれど理佐は、んーという唸り声をあげるだけで。

しょうがない。寝よう。

私はそう思って、布団にもぐりこんだ




少しして、理佐が携帯を充電機に挿した。


『朔、ほら』

『うん。』


いつものごとく、理佐は私の頭の下に腕を敷きいれて、私は理佐の腕の付け根に頭を乗っける。


『んー。ここ落ち着く。』


『それは良かった。』

理佐の匂いと、いつでもキスができる距離。そして、何より理佐に抱きしめられるのが心地よくてすぐに寝れる。



『ゲームは楽しかった?』

『うん。七瀬、さん強くてさ。』

『ふふ、七瀬じゃないの?』

『あ、うん。呼んでっていうから』



理佐は優しい声で話す。
けれど、理佐の先輩を呼び捨てにしてるのはなんだかいけない気もして。


『……ちょっと妬いた。』


『ん?』



ぶっきらぼうなその一言に私はびっくりする。

『あんなに仲良いとか知らなかった。』


理佐の表情は見えないけれど、妬いたというその声はたしかに本音ぽくて。


『理佐の方が仲良いよ?』

『そういうことじゃない』


なんといっても理佐は不機嫌に呟く。
理佐は負けず嫌いだし、きっと七瀬と自分を比べてるそう思ったんだけどそういうことではないらしい。


『なんかごめん。』


『別にいい。あと、、2人で住んでるの西野さんに言ったの?』


目の前の喉がゴクリと音をひそめる。

『それは、家に行きたいっていうから、同居人に聞いてみるっていう話になって、しちゃったの。』


『へえ。そっか。』


理佐は何かを考えるようにうなずくけれどまあ納得はいっていない様子。
理佐の考えてることはなんとなくわかった。きっといつどこから2人の関係がバレるのかわからないから言わないで欲しいそういうことだと思って。


『大丈夫。七瀬信用できるよ?』


まだ数回のやりとりだけど、七瀬は理佐みたいに優しいし、私を妹みたいに扱ってくれるし、理佐のことも本当はもっと仲良くなりたいんだといってくれていた。


『……もういい』


『え、ちょっと理佐?』


『そんなに西野さんが好きなら、西野さんのとこいけばいいじゃん。』



『え。』


そう一言放って、理佐はサッと私の頭をどけて寝返りを打った。



『理佐。ごめんって。そういうつもりじゃないから。』


『………』



そのまま理佐は返事をくれず、気づいた時にはもう寝てるみたいだった。





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